1997 Fiscal Year Annual Research Report
劣化した森林を再生するための森林造成システムの確立
Project/Area Number |
09660153
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 博一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70174810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木佐貫 博光 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00251421)
高橋 郁雄 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (70012086)
梶 幹男 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00152645)
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Keywords | エゾマツ / 風害 / 更新 / 天然林施業 / 樹下植栽 / 外生菌根菌 |
Research Abstract |
東京大学北海道演習林では天然更新を基本とする択伐施業が実行されているが、1981年に発生した風害の影響を受けて劣化した森林が多く見られる。本研究は天然更新や人工播種、植え込みより混交多層林へ誘導することを視野に入れて、いくつかの更新方法を評価し、保育計画を提案するものである。本年度は、これまでに実行された更新地内にその成育状況を評価するための試験地を設定した。風害以降の造林地では1984年秋植栽の試験地(標高570m)が最高齢である。このうち正常に成長したもの30〜50本の過去の樹高成長を可能な限り測定する。この樹木の生長パターンをもとに他の植栽地の今後の成長予測をおこなう。また、8林班a小班(標高880m)および10林班a小班(標高688m)内の1990年秋植栽の産地別試験地において、全植栽木を対象に生存率、根元径、樹高、過去の樹高成長を可能な限り測定する。被害木については被害状況を記述する。さらに、41林班a小班内の1993年秋植栽地(標高690m)風害跡地のアカエゾマツとの交互植栽地において、生存率、根元径、樹高、過去の樹高成長を可能な限り測定する。被害木については被害状況を記述する。調査本数は1プロット100本程度とする。比較のためアカエゾマツについても、同様の調査をおこなう。次に、43林班a小班(標高480m)内の1995年秋植栽の樹下植栽木266本を対象に、生存率、樹高、過去2年間の成長、被害状況を調査する。90林班c小班(標高800m)内の2m×3mのプロットで消長を記録する。同試験地周辺において播種の成果についても評価するが、調査法の詳細についてはさらに検討する。13林班の天然更新の旺盛な箇所より表層土壌を苗畑の床替床に運び、翌年度より外生菌根菌の形成状況を観察する。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 本阿弥俊冶ほか: "択伐施業による針広混交林の林分構造の変化-東京大学北海道演習林105林班における事例-" 森林計画学会誌. 29. 35-40 (1997)
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[Publications] 山本博一ほか: "針広混交天然林の林分構造の解析(III)択伐施業による林分構造の変化" 日本林学会論文集. 108. 91-94 (1997)
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[Publications] 本阿弥俊冶ほか: "北方針葉樹天然林の林分構造-大型試験地における分布様式-" 日本林学会論文集. 108. 89-90 (1997)
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[Publications] Hirokazu YAMAMOTO: "A Sustainable Natural Forest Management System of The Tokyo University Forest" Proc.of Symposium of Seoul National University and University of Tokyo. 2. 15-22 (1997)