1997 Fiscal Year Annual Research Report
衛星画像を用いたブナ天然林の分布特性の解析およびモニタリングシステムの開発
Project/Area Number |
09660156
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
阿部 信行 新潟大学, 農学部, 教授 (00262428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紙谷 智彦 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (40152855)
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Keywords | 衛星データ / LANDSAT / 幾何補正 / ミンナート関数 / 分類精度 / 最尤法 / BAND |
Research Abstract |
わが国では、衛星データによるブナ天然林の動態把握に関する研究例は報告されてはいない。山岳地帯のブナ天然林を対象に、衛星データによる解析を行うとすれば、技術的にいくつかの課題がある。第一は、幾何補正の困難、第二は、立地条件により樹種構成が変化するので、ブナ天然林の分類精度がどの程度なのか、そして第三は地形補正に関する効果的な方法の確立である。 平成9年度は、新潟県と福島県の県境に位置する日尊の倉山周辺、総面積約730haを対象に、50m×50mのプロット21個を設定した。この管内は標高が500m〜1300m、平均傾斜度25°の急峻な地帯である。幾何補正は、通常、25,000分の1を使用するが、森林基本図5,000分の1を用いて、詳細に行った。その結果、RMSが0.428であり、高精度に幾何補正が行えた。一方、最尤法による教師付き分類では、User′s accuracyは、99.%を示し、ブナ天然林が高精度で分類可能であることを確かめることができた。山岳地帯における画像処理では、地形補正が必要である。しかし、わが国では、その方法論が確立していない。そこで、地形補正方法を確立するために、プロットの林分因子とピクセルの輝度値との関連性を解析した。その結果、バンド1,2,3では地形要因の変動が少なく、バンド4,5,7では大きいことが分かった。地形補正法は、ミンナート関数を利用した補正を行ったところ、バンド4,5,7において傾斜角が増加すると、未補正ではピクセルの輝度値は大きくなるが、補正後は、輝度値はほぼ一定値を保ち、地形補正効果が認められた。このように、有効な地形補正方法を示すことができた。 平成10年度は、補正された輝度値を基に、ブナ天然林の動態把握方法の確立を行う予定である。
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