1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09660157
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
紙谷 智彦 新潟大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (40152855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箕口 秀夫 新潟大学, 農学部, 助手 (30291355)
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Keywords | 林冠ギャップ / 森林構造 / 種多様性 / 攪乱 / 種子サイズ / 野ネズミ / 行動圏 / minor habitat |
Research Abstract |
紙谷:落葉広葉樹二次林内に創出されたサイズの異なる11個の人工ギャップにおいて,創出後3年目に1)出現した植物の種名、2)発生した高木種の実生の数を記録した。また、各調査枠内のリター被覆率を推定するとともに、全天空写真からrPPFDを算出した。 林冠条件の違い(ギャップ内・辺縁部・閉鎖林冠下)は、林床植物の種類数と3年目の発生種数に有意に影響した。ギャップサイズは、ギャップ創出翌年にギャップ内で記録された種密度および3年目にギャップから消失した種数と有意な関係があった。高木種について、林冠条件の違いはイタヤカエデ、ミズメ、スギの発生数に有意であったが、ブナの発生数には関係がなかった。ギャップサイズは、これら4樹種の発生数に有意に効果があったが、3年目の生残率はイタヤカエデで有意な効果はなく、その他の3樹種では、有意にマイナスの効果があった。以上の結果から、ギャップの創出は発生する植物の種類数や高木種の実生数を増やし、ギャップサイズが大きいほどその効果があったものの、自然状態で2〜3年推移すると、ギャップサイズが大きいほど消失率も大きくなることが明らかになった。 箕口:ブナ天然林のギャップ内外に森林性野ネズミの生け捕り罠を設置し、森林構造とそこを利用する主要な野ネズミの行動圏の関係を明らかにした。出現した森林性のアカネズミとヒメネズミは広い行動圏をもち、選好性はあるものの比較的どの構造も利用していた。一方、草原性のヤチネズミ、ハタネズミは行動圏が狭く、林冠ギャップに対する選好性が強い傾向があった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kamitani,T.: "The role of Rhus trichocarpa Miq.Patch in pine forest dynamics." Journal of Sustainable Forestry. 6. 175-186 (1998)
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[Publications] Yoshida,T.& Kamitani,T.: "Effects of crown release on basal area growth rates of some broad-leaved tree species with different shade-tolerance." Journal of Forest Research. 3. 181-184 (1998)
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[Publications] Yanagisawa,Y.,Yoshida,T.& Kamitani,T.: "A pre-harvest method for predicting understory light levels created by artificial canopy gaps." Journal of Forest Research. 4. 53-56 (1999)
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[Publications] Nagaike,T.,Kamitani,T.& Nakashizuka,T.: "The effect of shelterwood logging on the diversity of plant species in a beech(Fagus crenata)forest in Japan" Forest Ecology and Management. 118. 161-167 (1999)