1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09660159
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
向井 譲 静岡大学, 農学部, 助教授 (80283349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 健司 農林水産省森林総合研究所, 生物機能開発部, 研究職
角張 嘉孝 静岡大学, 農学部, 教授 (60126026)
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Keywords | 紫外線 / 樹木 / 光合成 / クロロフィル蛍光反応 |
Research Abstract |
樹木の紫外線防御機能を調べるため、以下の2つの実験をおこなった。 (1) 紫外線照射システムの開発 自然光に含まれる紫外線(UV-B)量をモニターしながら、自然光に含まれるUV-B量に比例させて人工光源より強化UV-Bを照射するシステムを構築した。 UV-BのモニターにはUV-B専用センサー(EIKO 精機製)を用い、データロガー(CR-10,Cambell社製)に接続し、自然光のUV-B量を継続蜆察した。また、データロガー(CR-10,Cambell社製)に出力用のプログラムを書き込み、得られたUV-B量に応じて4段階(0.05〜0.2m W/m^2)のUV-Bを人工光源より照射するシステムを構築した。 (2) 野外に生育するスギの苗木に対する紫外線照射の影響 (1)で構築したシステムを用いてスギの苗木に対して、UV-B除去区、UV-B 強化区および対照区の3種類の処理をおこない、光合成速度およびクロロフィルは蛍光反応測定による電子伝達効率の測定を6月、9月および12月におこなった。最大光合成速度および光-光合成曲線の初期勾配について比較した結果、紫外線照射の影響は認められなかった。また、クロロフィル蛍光反応による電子伝達効率に関しては、6月、9月、12月の順に低下した。また、処理による影響については、UV-B除去区、UV-B強化区がいずれも対照区よりも高い値を示した。 室内実験の結果からは、UV-B強化区が最も低い値を示すと予想されたが、実際には対照区が最も低い値を示した。この原因としては、対照区以外にはUV-Bを照射するためのランプが設置されているので、ランプに遮られて光合成有効放射量が少なくなったため、強光阻害が緩和されたことが考えられる。
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