1998 Fiscal Year Annual Research Report
ケナフを原料とするバルカナイズドファイバーの製造と強度特性の改善
Project/Area Number |
09660180
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
鈴木 恭治 静岡大学, 農学部, 教授 (00109133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 滋彦 静岡大学, 農学部, 助教授 (40115449)
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Keywords | ケナフ / バルカナイズドファイバー / 靭皮繊維 / 精錬発酵 / 強度特性 |
Research Abstract |
昨年度の研究により、中国産の精練ケナフ靭皮繊維(CBF)と日本産の未精練ケナフ靭皮繊維(JBF)から得られたパルプのハンドシートをコットンの場合と同様の条件でバルカン化し、得られたバルカナイズドファイバーシートの強度特性を検討した結果、バルカン化は残留リグニンの影響を大きく受け、未晒JBFパルプでは進行し難いが、CBFパルプは未晒でも良好な強度特性が得られることが分かった。これは主に残留リグニン量の違いによるものではないかと考え、本年度はバルカン化に及ぼすリグニン含有量の影響を詳細に検討し、併せて最適塩化亜鉛濃度を明らかにするとともに、バルカナイズドファイバーのアセチル化による強度特性の改善を検討し、以下のような結果を得た。 1. リグニン含有量の異なるJBFとCBFのソーダAQパルプを調製し、通常条件である40℃、69°Beでバルカン化を行った結果、JBFではリグニン含有量の低下とともにバルカン化度が向上し、含有量が0.4%以下で良好なファイバーシートが得られたが、CBFではリグニン含有量が3%でも良好なバルカナイズドファイバーが得られた。これは精練発酵処理の有無が影響しているものと考えられる。 2. 処理温度を一定(40℃)にして塩化亜鉛の濃度の影響を検討した結果、総合的に考えて69゚Beが適当であると推定された。 3. ファイバーのアセチル化により、寸法安定性と湿潤引張り強度の向上が観察された。
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