1997 Fiscal Year Annual Research Report
シイタケ菌床栽培に適した菌株の育種と遺伝子に関する研究
Project/Area Number |
09660188
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大賀 祥治 九州大学, 農学部, 助教授 (60117075)
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Keywords | シイタケ / 菌床栽培 / 育種 / 遺伝子 / 酵素 / 子実体 / RNA |
Research Abstract |
シイタケ菌床栽培に適した品種を選定するため、子実体発生温度に基づいた区分で、周年栽培用、高温性、低温性品種をそれぞれ3種ずつ計12種のシイタケ種菌について検討した。 菌床の組成は、ミズナラ木粉、フスマ、コーンパウダー、オカラ粉(5:1:1:1)で、培地含水率は60%に調節した。ポリプロビレン袋に詰め、培地重量が約1.2kgになるようにした。120℃で蒸気滅菌し放冷後、各々12種の種菌を無菌下で接種した。これを20Cで約3カ月培養した。培地表面が褐色に変化した時期に袋をはぎ取り、菌床を露出させた。これを15℃の培養室で散水しながら子実体発生量を測定した。 測定項目として、菌糸蔓延度、培地表面の白色度の変化、子実体発生量、培地中のエルゴステロール含有量を経時的に測定し、培地中の熟成度を把握した。 供試した12種類のシイタケ種菌品種では、周年栽培用品種で菌糸蔓延度、菌床の熟成度が優れ、続いての子実体発生過程でも優れた結果が得られた。ここで、新知見として、培地中のエルゴステロールと培地の熟成度には高い相関がみられ、菌糸蔓延の栄養成長から子実体発生の生殖成長への変換過程で有効な判定基準になることが明らかとなった。 子実体発生が優れた品種と、あまり頻繁に子実体が発生しない品種を取り上げ、深低シャーレ(φ9×4cm)に木紛培地を詰めて培養を行った。種菌接種から原基形成、幼子実体から子実体発生、老成まで、約2カ月でいろいろな相:phaseが観察でき、各相での試料採取が可能である。 次年度から、この培養方法により8つの相に分け、木紛培地から単離したmRNAからのcDNAと、ラッカーゼ、セルラーゼの酵素遺伝子、lac1とcel3についてのgDNAとのRT-競合PCR反応を行う予定である。
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