1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09660212
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
嵯峨 直恒 東海大学, 海洋研究所, 教授 (10231333)
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Keywords | 凍結保存技術 / アラメ / アオノリ / 系統解析 / Porphyra / 表現型形質 / SSUrDNA |
Research Abstract |
本科研費で得られた研究成果,すなわちアラメ(褐藻,コンブ目),アオノリ(緑藻,アオサ目)の凍結保存,P.yezoensisおよびP.teneraの類縁関係およびPorphyraの系統解析について以下に要約する.また最後に今後の展望について述べる.(1)アラメやアオノリは水産学的に非常な海藻であるが,凍結保存技術はあまり進んでいない.そのようなことからアラメやアオノリの凍結保存を試み生残率を検討した結果,我々が検討した条件ではすでに凍結保存技術の確立している紅藻(Porphyra)と較べても大差ないことがわかった.(2)SSUrDNAを用いることによりPorphyraの主要な種であるP.yezoensis(TU-1株)とP.tenera (TU-3,T-1,そしてT-8株)の類縁関係について検討した.その結果,以下のようになった.すなわち,P.yezonsisTU-1およびP.teneraTU-3株が最も近縁でありP.teneraT-1およびT-8株がそれぞれ両種の姉妹群となった.P.yezoensisとP.teneraは遺伝学的な解析からもその種の位置づけが問題になっていたので,SSUrDNAを用いた解析方法はPorphyra類縁関係の推定に有用なデータを提供するといえる.(3)Porphyraの系統関係を把握することは,水産学的に非常に重要である.そこで,表現型形質と分子(SSUrDNA)を用いた2つの異なるアプローチにより系統解析を行った.その結果以下のようになった.表現型形質を用いた系統解析では,Porphyraは生殖細胞の配置の形質を基に2つのグループを形成した.そしてその中の1つのグループについては,さらに2つのグループに分かれた.さらに,Porphyra,DiplastidiaそしてDiploderma亜属はそれぞれ単系群を形成しなかった.次にSSUrDNAを用いた系統解析で,我々は新たに9種類のPorphyraの配列を決定した.そのデータを基に系統解析っを行うと,Porphyraは最初に2つのグループが形成され,その1つのグループにさらに3つのグループに分かれた. 以上のようにアラメやアオノリの凍結保存,およびPorphyraの系統関係については一応の成果が得られた.しかしながら,詳細な種判別をおこなうためには,SSU rDNAだけでは困難である.最近Porphyraのゲノム中に多型を示す(GT)n,(CAC)nが豊富に存在することが報告された.そのことについては申請者らも.ドットハイブリダイゼーションによりP.yezoensisTU-1株で確認した.現在はTU-1株のプラスミドライブラリーを作製し,(GT)10,(CAC)10の合成プローブにより前述した配列(マイクロサテライト)をスクリーニングしている.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 山崎悟・下村謙悟・嵯峨直恒: "海洋紅藻アマノリ属(Porphyra)の形態と分岐学的手法を用いた系統解析" 東海大海洋研報. 20(印刷中). (1999)
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[Publications] S.Kono,K.Kuwano,N.Saga: "Cryopreservation of Eiseniabicyclls (Laminariales,Phaeophyta) in ligvid nitrogen." J.Mar.Biotech.6. 220-223 (1998)
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[Publications] S>Yamazaki,K.Shimomura J.A.Shin,N.Saga: "The-taxonomicposition based on the 18 Sribosoma/DNA in Porphyra tenera (Bangiaks,Rhodophyta)." Proc.Intl.Mar.Biotech.Conf.4. -240 (1997)
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[Publications] S.Kono,K.Kuwano,M.Ninomiya J.Onishi,N.Saga: "Cryopreserration of Enteromorpha interstinalis (Ulvales,Chlorophyta) in liquid nitrogen." Phycologia. 36. 76-78 (1997)