1999 Fiscal Year Annual Research Report
反応場の異なる活性水素が高度不飽和脂質の自動酸化に及ぼす影響に関する確定
Project/Area Number |
09660225
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Research Institution | Tokyo University of Fisheries |
Principal Investigator |
大島 敏明 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (70134856)
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Keywords | ホスファチジルコリン / 酸化 / ハイドロパ-オキサイド / 異性体 / コレストロ-ル / トコフェロ-ル / アラキドン酸 / リポソ-ム |
Research Abstract |
コレステロールおよびα-トコフェロールで反応場の環境を変化させた際にリン脂質の酸化に与える影響を明らかにする目的で、パルミチン酸とアラキドン酸を構成脂肪酸にもつグリセロリン脂質であるホスファチジルコリン1-hexadecanoy1-2-[cis,cis,cis,cis-5,8,11,14-eicosatetraenoy1]-sn-glycero-3-phosphocholine(PC16:0-20:4)にコレステロールを添加して、リポソームとしておよびメタノール均質溶液として、ラジカル開始剤AAPHあるいはAMVNで酸化を開始した。この際に生じる1次酸生成物のハイドロパーキサイドを還元、水素添加後に7%BF3/メタノールによるメチル化を行い、アラキドン酸ハイドロパーオキサイド由来の脂肪酸メチルエステルを調製した。さらに、水産基をTMS化して、GC/MSによりハイドロパーオキサイド位置異性体組成を決定した。 メタノール均質溶液中における酸化では、2種のハイドロパーオキサイド異性体の割合5-hydroperoxy arachidonic acid(5-OOH)/15-hydroperoxy arachidonic acid(15-OOH)はほぼ1で、両者は均等に生成されていた。一方、リポソーム中における酸化では5-OOHの生成量は15-OOHの約2培であった。コレステロールの添加はこの生成割合に影響しなかった。一方、トコフェロールはPCに対するモル比0.02の比較的高濃度領域において5-OOH/15-OOHが1に近くなり、これよりも低濃度では影響しなかった。以上の結果から、トコフェロールはリポソーム膜においてPCと共存することによって水素供与体として働き、PCリポソームの酸化不均一性を解消する方向に働くものと考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.OHSHIMA, H.USHIO, and C.KOIZUMI: "Analysis of polyunsaturated fatty acid isomeric hydroperoxides by HPLC with a part -column fluorescent detection"ACS Symposium Series 674. 674. 198-217 (1997)
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[Publications] X.H-Wang, T.OHSHIMA, H.USHIO & C.KOIZUMI: "Distribution of stereochemical isomeric hydroperoxides generated by radical oxidation of linoleic methyl ester"Lipide. 34. 675-679 (1999)