1998 Fiscal Year Annual Research Report
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09660229
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Research Institution | Gakushuin Women's Junior College |
Principal Investigator |
品川 明 学習院女子短期大学, 助教授 (20215982)
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Keywords | ヤマトシジミ / ヤエヤマヒルギシジミ / セタシジミ / 塩分耐性 / 嫌気耐性 / エキス成分 / 遊離アミノ酸 / 有機酸 |
Research Abstract |
【研究目的】ヤマトシジミ,ヤエヤマヒルギシジミおよびセタシジミの塩分耐性および嫌気耐性を調べるとともに,環境要因の変化に伴う生体成分の変動を調べた。 【研究方法】1.試料:島根県宍道湖産ヤマトシジミ,沖縄県石垣島産ヤエヤマヒルギシジミおよび滋賀県琵琶湖産のセタシジミを保冷状態で実験室まで搬送し,試料とした。 2.環境耐性試験 (1)塩分耐性:各試料を異なる塩分濃度の水槽で飼育し,生存可能な塩分濃度の範囲を調べた。(2)嫌気耐性:各試料を20℃あるいは4℃の恒温器中に空中露出状態で放置し,生存日数を調べた。3.分析項目:軟体部の水分およびエキス成分(遊離アミノ酸,有機酸)を測定した。 【研究成果】1.塩分耐性:(1)ヤマトシジミは長期生存可能な範囲は1〜23psuの汽水域で,淡水では長期間の生存は不可能であった。短期間であれば35psu以上の塩分濃度に耐性を示した。(2)ヤエヤマヒルギシジミの至適生息塩分濃度は10〜20psuで短期間であれば淡水および海水中でも生存可能であった。(3)セタシジミの至適生息環境は淡水で,短期間であれば5psuの塩水中で生存可能であった。2.嫌気耐性:ヤマトシジミおよびセタシジミは4℃で7日間,20℃で3日間100%生存した。3.エキス成分:ヤマトシジミにおいて塩分耐性時,生体中でアラニン(Ala),グルタミン酸(Glu),グリシン(Gly),プロリン(Pro)およびβ-Alaが増減した。また,嫌気耐性時では生体中でAla,コハク酸,酢酸およびプロピオン酸が変動した。(2)ヤエヤマヒルギシジミでは塩分耐性時,Ala,Glu,Gly,Pro,β-Alaおよびオルニチン(Orn)が増減した。(3)セタシジミは塩分耐性時,Ala,Glu,Gly,Pro,β-AlaおよびOrnが変動した。嫌気耐性時ではAla,コハク酸,酢酸およびプロピオン酸が変動した。
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