1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09660248
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
頼 平 近畿大学, 農学部, 教授 (70026467)
|
Keywords | 急傾斜みかん園の機械化 / みかん糖度の増大 / 品種・産地による差別化 / みかんの販売経路戦略 |
Research Abstract |
[1]柑橘産地の最も深刻な問題は、急傾斜地果樹園がほとんどであって、SSのような乗用機械が使えないために、労働費が高くつくことである。この点で乗用機械を導入できるように作業道をつけ、みかん樹の植栽方式を改革することが不可欠であるが、それにも立地条件に応じていくつかの方法があることを明らかになった。 [2]みかんは飽食状態にあり、最近は糖度が11度以上にあがらないと商品価値がない。そこで糖度をあげるための品種・栽培技術の組み合わせ方について検討した。 [3]家族労働を周年活用するためには、みかんに専門化しながらも、品種・栽培方式の異なるみかんを組み合わせる方式がある。また立地条件によっては、むしろスモモ、ウメを組み合わせたり、あるいは施設園芸や畜産と組み合わせながら複合化を図る方が有利な場合もあることが明らかになった。 [4]みかんの差別化戦略であるが、従来から実施されている等級・階級と味など内容的品質による差別化だけでなく、リンゴのように、品種および産地名によって商品差別化を進めることが必要な段階にきており、そのような戦略の多様性を明らかにした。 [5]販売経路戦略では、従来の卸売り市場出荷だけでなく、品質によって差別化されたみかんを、スーパー・生協などに直接出荷して流通経費を節約する方法、観光もぎとり園、オーナー制、直売店販売、宅配などの多様な販売経路を適切に組合わて、手取単価をあげ、粗収益を増やす方法をとっていることが明らかになった。なお基本的には産地間の過当競争を反省して、産地間協調によって計画的に生産制限と販売割り当てを進めることが必要であることがわかった。
|
Research Products
(1 results)