1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09660248
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Research Institution | KINKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
〓 平 近畿大学, 農学部, 教授 (70026467)
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Keywords | 供給調整 / 園内道の整備 / 減農薬・有機栽培 / 多様な直販 / 柑橘園の公益機能 |
Research Abstract |
〔1〕 柑橘橘青果および同ジュースの関税率が低下するにつれて,両者の輸入量が増大し,さらに90年代に入ると柑橘ジュースの比重が50%に落ちて,その他果汁が伸びている。その結果,国産柑橘類に対する需要が縮小し,温州みかんでは,総供給量を125万トンに調整しない限りは,その価格が生産費を償わない水準まで下落することは必至となっている。したがって,ハウス栽培の拡大,露地栽培の極早生の重視,中晩柑への転換,より風土条件に適合する他果樹への転換が不可欠になっている。 〔2〕 急傾斜樹園地であっても,園内道をつけ,園地規模を高速噴霧機などの甫場用機械の適正操業度を達成する水準まで拡大し,生産額千円当たり生産量を大幅に下げるような技術革新を採択すべきである。 〔3〕 減農薬・有機栽培を入れ,その産地と栽培者名を消費者購入段階まで表示して,輸入柑橘との差別化を図るべきである。また産地から量販店への直販,多様な観光・交流型果樹園による直販など,手取り単価を上げ,流通マージンを削減するマーケティング戦略が必要である。 〔4〕 都市生活者との交流を盛んにして,国内柑橘産業が国土,環境保全に果たしている役割を理解してもらい,この公益に見合う形で,果樹園の土地基盤整備や機械整備などに財政的・情報的支援を行うことに賛同する世論を確保すべきである。
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