1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09660266
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Higashi Nippon International University |
Principal Investigator |
青木 辰司 東日本国際大学, 経済学部・国際経済学科, 助教授 (50141073)
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Keywords | 景観評価手法 / 景観条例 / 景観整備 / パートナーシップ / グラウンドワーク |
Research Abstract |
農村地域における景観評価に関する先駆的研究について農業土木学、建築学、都市計画学の諸分野の文献を収集し、その理論的整理を行った。 その結果、農村景観は、感覚的、抽象的、間接的な傾向が強く、その機能・効能を明らかにする中で抽象的、感覚的な内容を具体的、即物的、客観的な評価手法の確立が必要となっていることが明らかになった。 集落景観の実態を把握するために、山形県高畠町をはじめとする市町村の事例調査を行い、市長村レベルの農村景観施策の実態を調査した。その結果、各市町村では、景観条例等の制定を試みながら、景観整備に取り組んでいるものの、町民の意識啓発、あるいは企業サイドの理解等に課題が多いことが明らかになった。 近年は、グリーン・ツーリズム事業に着手している市町村が増え、その一環に景観整備に取り組んでいる市町村がみられるものの、行政・住民・企業が一体となって実践している例が少ない。その意味では、英国において1980年代に始まった「グラウンドワーク」運動は、「トラスト」と呼ばれる常設の専門家組織が、行政・住民・企業のパートナーシップを形成し、持続可能な景観整備を行っており、日本への具体的な手法の導入が急がれる。 平成10年度は、以上の結果を踏まえて、1ないし2市町村を調査対象地区として選定し、住民の聴き取り調査及びアンケート調査を実施し、従来手法の課題と新たな景観評価への社会学的考察を加えたい。
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