1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09660270
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
伊藤 道秋 新潟大学, 農学部, 教授 (20001464)
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Keywords | バレイショ / 土塊 / ポテトハーベスタ / 損傷 |
Research Abstract |
土塊を形成しやすい土性で従来のポテトハーベスタの導入が困難な圃場に対して有効な、土塊とバレイショを分離する機構を装備したハーベスタ開発を主目的とした本研究の基礎となる調査、実験を引き続き行った。 1. 土塊の形成が、土性によるところが大きいことは明らかであるが、同一土壌においても土塊形成と非形成(崩壊性)の条件が存在する。ポテトディガーでの堀り取り時にコンベヤ上の土塊とコンベヤのロッド間から落ちるものとに分かれるのが典型的な現象であるので、この両者のサンプルを異なる有機物と化学肥料のみを長期に連続施用してきた圃場から採取、含水比などを比較したが、土塊形成および比形成となる有意な差となる条件を見いだすことはできなかった。両者の違いを生む条件を見いだすべき調査を、引き続き行う必要がある。とくに、本年度に計画していた栽培過程と土塊形成条件の変化についての試験が不十分であったので調査を強化する。 2. バレイショと土塊を鉄製衝突物に落下衝突させて、それらの反発係数の相違で分離する機構に着目して開発を進め、その分離性能が目標とする数値に達することを明らかにしてきた。しかし、衝突によるバレイショの損傷発生は外観上大幅なものとはならないが、基礎的な実験で確認しておく必要を感じ、落下衝突試験を行った。その結果、鉄およびコンクリート盤への垂直な衝突では20cmの高さまでは損傷発生は極めて少ないことが分かった。しかし、傾斜板への衝突では衝突時に作用する剪断方向力により垂直衝突よりも同一の高さで裂傷や皮むけといった損傷は大きくなることが明らかになった。それにより、本研究で考えられた分離機構の衝突物をドラム形状とし、回転させて剪断力をうむ接線方向の速度差を極小にするように配慮した設計は合理的で必要条件であることを確認した。
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