1997 Fiscal Year Annual Research Report
養液栽培法の原理に基づく東南アジア低湿地での新しい野菜栽培技術の開発
Project/Area Number |
09660281
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
北宅 善昭 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (60169886)
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Keywords | 野菜栽培 / サツマイモ / 塊根成長 / 可食部比率 / 低湿地 / 土壌通気性 / 有機質材料 |
Research Abstract |
まず、低湿地での野菜栽培方法を開発するための基礎的検討を行った。低湿地圃場において、土壌の通気性を高めるため、土壌畝内に有孔プラスチックパイプを埋設した(通気区)。通気区と同様、通常の形状の畝(対照区)を低湿地圃場に設け、両区でのサツマイモの生育特性および収量を比較検討した。通気区および対照区とも栽培期間を通して、畝間を湛水状態(水深20mm)にした。通気区の塊根の生体重、乾物重および最大直径は、それぞれ3.6倍、4.4倍および1.7倍になった。他方、通気区の塊根以外の根の生体重および乾物重は、対照区の約半分であった。通気区の地上部生体重および乾物重、茎長および葉面積は、対照区の1/2〜2/3であった。通気区の地上部/地下部の乾物重比は、対照区の1/10であった。通気区の収穫指数(塊根乾物重/全乾物重)は57%であり、対照区の4倍であった。低湿地圃場で畝間が湛水状態でも、土壌の通気性を高めることのより、サツマイモ塊根の成育を促進できることが明らかとなった。 次に、低湿地圃場において、土壌の通気性を高めるため、熱帯、亜熱帯地域において入手が容易である稲藁、麦藁、籾穀籾あるいは籾穀燻炭をそれぞれ塊として(Mass区)、あるいは土壌と混合して(Mix区)、畝内に埋設した。植物体全体の乾物重は、籾穀を用いたMass区で最大となった。Mass区の地上部乾物重は、対照区の0.7倍となった。しかし,籾穀を用いMass区の地下部および塊根乾物重は、それぞれ対照区の4倍および5倍となった。Mass区およびMix区のパーセント含水率および地上部/根の乾物重比率は対照区より小さかった。籾穀を用いたMass区の塊根/全体の乾物重比率(61.4%)は、対照区の4.4倍となった。Mass区のサツマイモは、対照区に比べて、可食部の比率が高く、非可食部の比率が小さくなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] A..F.M.,Islam,Y.,Kitaya et al.: "Growth characteristics and yield of sweetpotato grown by a modified hydroponic cultivation method under field conditions in a wet lowland." Environmental Control in Biology.35・2. 123-129 (1997)
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[Publications] A..F.M.,Islam,Y.,Kitaya et al.: "Effects of placing rice straw,wheat straw and rice husks in soil ridges on growth,morphological characteristics and yield of sweetpotato in wet lowlands." J.Agric Meteorolol.53・3. 201-207 (1997)
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[Publications] A..F.M.,Islam,H.,hirai,Y.,Kitaya et al.: "Effective utilization of waste rockwool for sweetpotato production under wet lowland field conditions." J.Jpn.Soc.Agr.Tech.Man.4・2. 47-53 (1997)
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[Publications] A..F.M.,Islam,Y.,Kitaya et al.: "Sweetpotato cultivation with rice husk charcoal as a soil aerating material under wet lowland field conditions." Environ.Control in Biol.(印刷中). 36・1. (1998)