1997 Fiscal Year Annual Research Report
反芻家畜由来食品に存在する生理活性共役リノール酸の飼料性前駆脂肪酸の解明
Project/Area Number |
09660288
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
山内 清 宮崎大学, 農学部, 教授 (90040865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 聡 宮崎大学, 農学部, 助手 (30284821)
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Keywords | 共役リノール酸(CLA) / 9cls,11transCLA(9c,11t CLA)定量法 / ヤギの各種組織9c,11t CLA含量 / 高リノール酸含有飼料 / 高リノレン酸含有飼料 |
Research Abstract |
反芻家畜由来食品に高濃度含有される生理活性9cls,11trans共役リノール酸(9c,11t CLA)は、反芻胃内微生物による生成機構がその主要な給源と考えられる。他方、9c,11t CLAの前駆脂肪酸についてはリノール酸やリノレン酸の酵素的変換が挙げられるが、現在、その何れの脂肪酸が前駆脂肪酸として優先的であるのか明らかでない。また、食肉の9c,11t CLA定量法について、この脂肪酸が従来の脂肪酸メチルエステル化法では酸化的分解を受けやすいことから、まず、高精度で再現性が優れた定量法を確立することが必要である。そこで本研究では、9c,11t CLA定量法を検討した後、その考案した方法を用いて、高リノレン酸含有飼料あるいは高リノール酸含有飼料を一定期間給与したヤギの各種組織の9c,11t CLAを調べた。その結果は、次の通りであった。1.食肉の9c,11t CLAの定量法として、総脂質はFolchらの方法に準じて抽出し、まず0.5MKOH/MeOHでケン化後、継続してaq.HC1(35%)/MeOH(4:4,v/v)でメチルエステル化を行い、得られた脂肪酸メチルエステルはキャピラリーガスクロマトグラフィーで分析・定量する精度が高く、再現性の優れた方法を考案した。2.高リノレン酸含有飼料および高リノール酸含有飼料を給与したヤギから採取した各種組織の9c,11t CLA含量(mg/g脂質)は、脂肪組織>第4胃、第1胃>筋肉の順であった。高リノール酸含有飼料給与ヤギの脂質含量および9c,11t CLA含量(mg/g脂質)は高リノレル酸含有飼料給与ヤギに比較して高値を与え、結果的に高リノール酸含有飼料給与ヤギからの各種組織の組織当たりの9c,11t CLA含量は高値を示した。今回の結果は、高リノール酸含有飼料が、高リノレル酸含有飼料に比較して、高9c,11t CLA含量ヤギ肉の生産に結びつくことを示唆した。
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