1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09660289
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
青木 孝良 鹿児島大学, 農学部, 教授 (70034460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ヒッシャムR. イブラヒム 鹿児島大学, 農学部, 講師 (90274836)
林 国興 鹿児島大学, 農学部, 教授 (80041656)
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Keywords | ホスホペプチド / β-カゼイン / リボフラビン結合タンパク質 / リン酸カルシウム / カゼインミセル |
Research Abstract |
前年度までの研究で、カルシウム吸収促進作用と密接に関連するリン酸カルシウム沈殿阻止能に対して、ホスホペプチドに最適リン酸基数が存在することが示唆された。そこでは本年度は、1〜5個のリン酸基数を有する人β-カゼインおよびそのホスホペプチドを用いて、リン酸カルシウム沈殿阻止能を調べるために、まず、リン酸基数が1〜5個の人β-カゼインを調製した。このβ-カゼイン各成分トリプシンで加水分解した後、リン酸基数が1〜5個のホスホペプチドを調製した。また、卵白リボフラビン結合タンパク質(RFBP)からリン酸基を8個持つホスホペプチドを調製した。これらホスホペプチドのリン酸カルシウム沈殿阻止能をHayらの方法で調べた。その結果、人β-カゼインのホスホペプチドペプチドのリン酸カルシウム沈殿阻止能はリン酸基数の多い成分ほど高ったが、4Pおよび5Pのホスホペプチド間には大差がなかった。RfBPのホスホペプチドはリン酸基数が人β-カゼインホスホペプチドより多いリン酸基をもっているのにもかかわらず、人β-カゼインホスホペプチドの3P成分よりリン酸カルシウム沈殿阻止能は劣っていた。RfBPホスホペプチドと人β-カゼインホスホペプチドはともにリン酸基が局在しているが、その一次構造が同一でないので、そのリン酸カルシウム沈殿阻止能をリン酸基数の違いのみで単純に比較することはできないが、ホスホペプチドが最大のリン酸カルシウム沈殿阻止性を示すリン酸基数は4〜5個であることがと示唆された。 牛乳カルシウムの存在形態であるミセル性リン酸カルシウム(MCP)はカゼインのリン酸基により可溶化されたものである。そこで、MCP-ホスホペプチド複合体を調製法を開発し、ラットを用いてそのカルシウムの生体利用性(吸収率および骨への蓄積)が優れていることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Toba,Y.,Kato,Takada,Y.,Tanaka,M.,Nakano,T.,Nakano,T.,Aoki,T.,Aoe,S.:: "Bioavailaility of milk micellar calcium phosphate-phosphopeptide complex in Rats."Journal of Nutritional Science and Vitaminolgy. 45. 311-323 (1999)
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[Publications] Nakano,T.,Sigimoto,Y.,Ibrahim,H.R.,Toba,Y.,Aoe,S.,Aoki,T.:: "Preparation of milk calcium salts by using casein phosphopeptides and their characterization."Preparative Biochemistry & Biotechnology.. (印刷中).
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[Publications] 青木孝良: "カルシウム素材としての牛乳ミセル性リン酸カルシウム"New Food Industry. 42・3. 9-16 (2000)