1997 Fiscal Year Annual Research Report
高品質サイレ-ジ調整のための添加物利用とその作用機序
Project/Area Number |
09660291
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
増子 孝義 東京農業大学, 生物産業学部, 助教授 (50123063)
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Keywords | ギ酸 / 酵素剤 / 乳酸菌製剤 / 発酵品質 / 無予乾サイレ-ジ / 予乾サイレ-ジ / 乾物消化率 / 添加物 |
Research Abstract |
平成9年度は、主要となる実験を実施した。1.研究実施計画通りに36種類の材料牧草にギ酸,乳酸菌製剤,酵素剤を添加して,サイレ-ジの発酵品質を評価し,添加物の適合性を調べた。2.1.で調製したサイレ-ジ288点をすべて人工消化試験により乾物消化率を測定し,添加物利用による発酵品質の改善度との関係を明らかにした。 1.無予乾と予乾サイレ-ジの発酵品質は,生育期日の違いにより変動した。その程度は草種,生育期日,刈り取り回次および添加物処理によって異なった。無予乾サイレ-ジと予乾サイレ-ジともに,ギ酸添加区ではすべての材料牧草において例外なく無添加区よりも発酵品質が向上した。乳酸菌製剤添加区ではオ-チャードグラス2番草が1番草よりも改善度が少なく,アルファルファ1番草と2番草は無添加区よりも向上しなかった。乳酸菌製剤と酵素剤の混合添加区はオ-チャードグラス2番草では,乳酸菌製剤のみを添加した発酵品質よりも向上した。アルファルファ1番草と2番草ではわずかに向上したが,無添加区との間に有意差が認められなかった。添加物を利用してサイレ-ジを調製する場合,材料牧草の種類,生育期日および刈り取り回次により添加効果が変動することが明らかとなり,それらの条件を考慮して適合する添加物を選択することが望ましいと考えられた。 2.ギ酸添加区のオ-チャードグラスとチモシーそれぞれの無予乾および予乾1番草サイレ-ジ,アルファルファの無予乾1番草サイレ-ジは,いずれも無添加区よりも乾物消化率が向上した。乳酸菌添加区ではオ-チャードグラス無予乾1番草サイレ-ジ無添加区よりも乾物消化率が向上した。乳酸菌製剤と酵素剤の混合添加区ではオ-チャードグラス予乾1番草とチモシー無予乾1番草サイレ-ジが無添加区よりも乾物消化率が向上した。乾物消化率の高いサイレ-ジは発酵品質が高い傾向があったが,発酵品質が高くても必ずしも乾物消化率が高いとは限らなかった。
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