1997 Fiscal Year Annual Research Report
動物型リポ多糖を標的とする糖鎖切断酵素の探索-難治細菌病制圧に向けて-
Project/Area Number |
09660298
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
能田 健 鳥取大学, 農学部, 助教授 (60218287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 智也 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30087572)
山さき 良平 鳥取大学, 農学部, 教授 (80273887)
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Keywords | ナイセリア / ヘモフィルス / 糖脂質 / 動物型リポ多糖 / ポリアクリルアミドゲル電気泳動 / TBAアッセイ |
Research Abstract |
ナイセリア、ヘモフィルスなど一連のグラム陰性細菌は、宿主動物細胞膜の糖脂質構造を模倣した動物型リポ多糖を表面にまとい、宿主の免疫監視機構を回避する。これらの細菌はいまだ正圧されずに残存しているばかりでなく、抗生物質耐性の難治病原因菌に変貌しつつある。本研究は、動物型リポ多糖を切断し細菌の抗原性を露出させる酵素を広く自然界より探索し、その性質を明かにする事を目的とする。 研究の遂行にあたり、スクリーニング法の最適化と微量化に取り組んだ。まず、従来のポリアクリルアミドゲル電気泳動法では分離困難な、超低分子量域の動物型リポ多糖(約2.5kDa)分析法の確立をおこなった。市販の電気泳動装置を改造し、簡便な超低分子量域用グラジエントゲル作成法の確立ならびに泳動条件の最適化をおこなった。次にリポ多糖が有する酸性糖KDOのマイクロプレートを用いた微量検出法の確立をおこなった。従来からおこなわれているKDOの検出方法であるTBAアッセイは比較的大量の試料を要した。そこで、96穴マイクロプレート上で呈色反応をおこない、そのままマイクロプレートリーダーで読み取る微量化アッセイシステムを開発した。これにより多検体の酸性糖切断活性のスクリーニングが可能となった。また、マイクロプレートリーダーは糖鎖と特異抗体、あるいは抗血清との反応性変化の検出にも用いた。 各種真菌ならびに哺乳類組織より、微量冷却遠心機を用い酵素試料液を調製し、上述の方法を用いて、エキソ型あるいはエンド型の動物型リポ多糖切断酵素のスクリーニングを鋭意進行中である。
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