1997 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳動物雄性ゲノムのプロタミン封入および雄性前核形成の調節機構の解析
Project/Area Number |
09660303
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
舟橋 弘晃 岡山大学, 農学部, 助教授 (50284089)
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Keywords | プロタミン / 精子 / 卵子 / 雄性前核 / 受精 / 豚 / ラット |
Research Abstract |
本研究プロジェクトの目的は,精子形成中に起こる雄性DNAのプロタミン封入と卵子侵入後の脱プロタミン封入および雄性前核形成を調節している機構の解析を解析し,解明することにある。 平成9年度は,豚およびラット精子細胞を用いてDNAのプロタミン封入および脱プロタミン封入機構の解析を予定した。まず,材料となる精子細胞(spermatid)を効率的に回収するために,ラット精巣から採取した雄性生殖細胞を様々な濃度のパーコール中で遠心分離し,その採取条件を見出した。次に,精子細胞におけるジスルフィド(-S-S-)結合の状態の評価解析系を確立することを目的として,アクリジン・オレンジで精子細胞を染色後,共焦点レーザー蛍光顕微鏡を用いて試料を観察した。その結果,ジスルフィド(-S-S-)結合を有する精子細胞核の部分を緑色に,またジスルフィド(-S-S-)結合が還元されている(-SH,HS-)細胞核の部分を赤色に染色するアクリジン・オレンジの性質を利用して,緑色および赤色の度合いから精子細胞核ジスルフィド(-S-S-)結合の酸化状態を評価できる系を確立した。現在,クロモマイシンA3で処理した精子細胞を共焦点レーザー蛍光顕微鏡を用いて観察し,精子細胞中のプロタミンの存在状態を解析する系を確立中である。また、精子細胞の体外(様々な条件下)でのプロタミン処理が精子細胞核のDNAのプロタミン封入に及ぼす影響についても上述の解析系を用いて現在進行中である。平成10年度は,現在進行中の実験で得られる体外での雄性DNAプロタミン封入体を卵子中に顕微注入して雄性DNAからのプロタミンの離脱を解析するとともに,人口プロタミン封入法を用いたDNA保存法についても検討する予定である。
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