1998 Fiscal Year Annual Research Report
新たな視点に立つ動脈硬化モデルの確立-器官培養法による動脈硬化巣の再現-
Project/Area Number |
09660315
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾崎 博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30134505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 晃一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (90205914)
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Keywords | 器官培養 / 血管平滑筋 / 血管内皮 / インターロイキン / PDGF / 動脈硬化 |
Research Abstract |
本研究は、培養細胞を用いた試験管内での反応から生体内病変を推測することは困難であるとの観点から、動物モデル実験系のように組織構築の変化を形態学的に捉えることができ、しかも培養細胞実験系のように特定の因子を選択して適用できる実験モデルを確立すること目的として行われた。 本年度は、以下の4つの観点から研究を行い、成果をあげることができた。 1) 昨年度は、誘導型一酸化窒素合成酵素を誘導することが知られているインターロイキン1βの作用を器官培養系で再現することに成功し論文として公表することが出来た(Eur.J.Pharmacol.330,143-150,1997)。本年はこれを受け、インターロイキン1βの作用が一酸化窒素合成酵素の誘導だけでなく、Kチャネルの活性を上げ細胞膜を過分極させること、さらにこの作用がATP感受性のKチャネルの活性化を介することを明らかにした(J.Vet.Med.Sci.In press.1999)。 2) 血小板活性化因子(PDGF)の血管内皮細胞に対する作用を検討した。器官培養により血管内皮からの一酸化窒素遊離を減弱させること、さらにこの作用が構成型一酸化窒素合成酵素の転写レベルでの抑制に基づくことを明らかにした。現在、論文を.Am.J.Physiol.に投稿中で、修正要求に対応しているところである。 3) ウシ胎児血清の血管平滑筋に対する作用を検討した。器官培養により平滑筋の収縮性を減弱させること、この作用が平滑筋細胞の収縮型から増殖型への形質転換であることを明らかにし、臨床例で見られる中膜の増殖性病変と酷似していることを明らかにした。(論文作成中) 4) ウシ胎児血清の血管内皮機能に対する作用を検討した。器官培養によりPDGF同様に一酸化窒素遊離を減弱させること、これがNO合成酵素発現(mRNA)レベルで起こっていることも明らかにした(Eur.J.Pharmacol.In press 1998)。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] AMANO,K.et,al: "Palytoxin-induced increase in endothelial Ca2+ concentration in the rabbit aortic valve." Naunyn-Schmiedeberg's Arch Pharmacol.355. 751-758 (1997)
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[Publications] KARAKI,H.et,al: "Calcium movements,distribution,and functions in smooth muscle." Pharmacol.Rev.49. 157-230 (1997)
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[Publications] TAKIZAWA,S.,OZAKI,H.and KARAKI,H.: "Interleukin-1β-induced nitric oxide-dependent and - independent inhibition of vascular smooth muscle." Eur.J.Pharmacol.330. 143-150 (1997)
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[Publications] IZUMI,M.et,al: "Cicletanine-induced decreases in cytosolic Ca2+ level and contraction in vascular smooth muscle." Jpn.J.Pharmacol.76. 57-63 (1998)
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[Publications] YOSHIMOTO,Y.et,al: "The relaxant effect of adrenomedullin and calcitonin gene-related peptide on contractions of the rat aorta and porcine coronary artery." Br.J.Pharmacol.123. 1645-1654 (1998)
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[Publications] 尾崎 博、山脇英之、佐藤晃一、堀 正敏、唐木英明、: "増殖性変化を起こした血管組織の内皮機能ならびに平滑筋収縮性の変化:器官培養法による検討" 日薬理誌. 112. 63-67 (1998)
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[Publications] TAKIZAWA,S.,OZAKI,H.and KARAKI,H: "Possible Involvement of K^+ channel Opening to the Interleukin-1β-Induced Inhibition of Vascular Smooth Muscle Contraction." J.Vet.Med.Sci.in press.
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[Publications] YAMAWAKI,H.et al: "Impairment of endothelium dependent relaxation following incubation of arteries with FBS." Eur.J.Pharmacol.in press. (1999)