1998 Fiscal Year Annual Research Report
Guanylate Cyclaseの活性制御機構とその標的タンパク質の追跡
Project/Area Number |
09660323
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
津山 伸吾 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (00094508)
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Keywords | soluble guanylate cyclase / neuronal nitric oxide sywthase / monoclonal antibodies / Purkinje / Astroglia / cerebellum |
Research Abstract |
著者は前年度に牛肺から可溶性Guanylate Cyclaseをイオン交換樹脂やGTP-アフィニテイーカラム等を用いて精製し、高ラマン分光を含む分光学的測定による本酵素の特徴を明らかにすると共に、一酸化窒素の添加や各種ADP-ribosyl化活性を持つ細菌毒素により活性が著しく上昇すること等を報告してきた。そのなかでも、一酸化窒素による可溶性Guanylate Cyclase活性は一酸化窒素添加しない場合と較べると100倍以上のCyclc GMPの産生がある。このことは、細胞内情報伝達に於ける一酸化窒素合成酵素により産生される一酸化窒素と可溶性Guanylate Cyclaseの役割、即ち両酵素の細胞内局在性が重要になる。何故なら、一酸化窒素の溶液中のHalf lifeは約2秒と非常に短い為である。一方、哺乳動物の小脳ではPurkinje細胞やAstroglia細胞に一酸化窒素合成酵素が存在し、長期記憶抑制に機能すると云う報告が有る。しかし、これらの一酸化合成酵素とGuanylate Cyclaseの役割は不明であった。本年度著者は、大量精製した牛肺のGuanylate cyclaseを抗原に単一抗体の作製を行い、此れを用いてラット小脳に於ける、両酵素の局在性を明らかにした。培養ラット小脳細胞では確かに一酸化窒素合成酵素とGuanylate CyclasseはPurkinjeやAstrongliaにあったが、Purkinje細胞では両酵素は一酸化窒素合成酵素をとりまくようにGuanylate Cyclaseが局在していたにも拘らず、Astrogliaでは両酵素は細胞質内でお互いに遍在していた。このことは小脳の唯一の情報発信細胞であるPurkinje細胞では一酸化窒素が可溶性Guanylate Cyalseのhemeに結合し立体構造変化をおこし、CyclicGMPの細胞内濃度を上昇させて細胞内情報を伝達していることを示唆する。
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