1997 Fiscal Year Annual Research Report
牛白血球粘着不全症(BLAD)の病態と骨髄移植による治療の試み
Project/Area Number |
09660344
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
永幡 肇 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (10133571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 幹典 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10002081)
稲波 修 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (10193559)
寺岡 宏樹 酪農学園大学, 獣医学部, 講師 (50222146)
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Keywords | BLAD / 遺伝疾患 / CD18 / 骨髄移植 |
Research Abstract |
牛白血球粘着不全症(BLAD)の病態と骨髄移植による治療を試み、以下の成績を得た。 I.病態解析-(1)CR3欠損ウシ好中球の1gG-Fc受容体を介する食作用、O^-_2産生および細胞内Ca^<2+>-シグナリングを正常好中球のそれらと比較した。1gG-結合イ-スト貧食、-1gG刺激O^-_2生成および細胞内Ca^<2+>濃度は、正常対照の10%、77%および78%であった。FCRを介する好中球機能は、CR3の存在と密接に連動していることが示された。 (2)B_2インテグリンが欠損したウシ好中球の気管支肺胞内および体表表皮に作成した擦過組織への血管外遊走性を、正常白血球のそれらと比較した。得られた成績は、BLAD牛における補体レセプター(CR3)欠損好中球の気管支肺胞内への血管外遊走性の所見を支持し、また体表表皮擦過組織への正常およびCR3欠損白血球の血管外遊走性の特徴を提示した。 II.骨髄移植の試み 9カ月齢のBLAD子牛へ、正常牛・骨髄血(130ml)を静脈内へ輸注し、経時的に、臨床学的観察、血液所見、好中球機能、CD18分子の発現率についてモニターを継続している。骨髄移植後、12カ月で、正常好中球の保有するCD18分子が、骨髄移植牛の末梢血好中球に0.3〜0.5%発現することを見い出した。臨床状態は良好に推移している。血液学的な変化は、明らかではない。 以上から、本課題のBLADの病態と骨髄移植による正常骨髄細胞の定着の可能性について、新知見を得た。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nagahata,H.,et al.: "Prevalence and allele frequency estimation of bovine leukocyte adhesion deficiency(BLAD)in Holstein-Friesian cattie in Japan." J.vet.Med.Sci.59(4). 233-238 (1997)
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[Publications] Nagahata,H.,et al.: "Fc receptor-mediated phagocytosis, superoxide production and calcium signaling of B2 integrin-deficient bovine neutrophils" Microbiol.lmmunol.41(9). 747-750 (1997)
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[Publications] Nagahata,H.,et al.: "Leukocyte emigration in normal calves and calves with leukocyte adhesion deficiency." J.Vet.Med.Sci.59(12). 1143-1147 (1997)
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[Publications] Higuchi,H.,et al.: "Relationship between the chemiluminescent response of borine neutrophils and chauges in 〔Ca^<2+>〕^i concentration." Can.J.Vet.Res.61(1). 57-61 (1997)
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[Publications] 桑原幹典他: "白血球粘着蛋白質欠損症ホルスタイン牛好中球を用いた活性酸素生成細胞内情報伝達機構の研究" 磁気共鳴と医学. 8. 109-113 (1997)
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[Publications] 永幡肇: "21世紀の新技術・ブラッドはヒト・ラッドの骨髄移植・遺伝子治療のモデル" 酪農学園大学エクステンションセンター(出版部), 119-129 (1997)