1998 Fiscal Year Annual Research Report
担子菌による家畜排泄物の食飼料資源としての再生利用に関する基礎的研究
Project/Area Number |
09660354
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
鈴木 雄一 滋賀県立大学, 環境科学部, 助手 (70171262)
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Keywords | 担子菌 / 家畜排泄物 / 食飼料資源 / 大量培養 / 畜産環境 / バイオマス変換 / 木質敷料 / 無殺菌 |
Research Abstract |
1. 木質敷料における担子菌の大量増殖試験 切り返しによる自然発酵,さらに補助熱による二次発酵により発酵熱を放出させ温度変化,pH変化をパラメータとしてその安定した段階を把握することにより,再現性のある担子菌処理素材としての発酵発酵木質敷料を調製した.初年度のスクリーニーングの結果,発酵木質敷料において増殖が可能と判断された菌種のうちツクリタケの大量増殖試験を行った.対照として稲わらと化学肥料からなる合成堆肥を実験用木製栽培箱に積めたものを用意した.発酵木質敷料は実験用木製栽培箱あるいは床面積の等しいポリエチレン製の容器の2種の容器に同量詰めた.これらはそれぞれ15箱用意し,市販のツクリタケ(Agaricus bisporus)穀粒種菌を接種した.発酵木質敷料における初期増殖は,伸長速度,菌そうの厚さなどにおいて合成堆肥における増殖に劣るものであったが,時間の経過とともにその差は小さくなり,子実体形成においては,良好な栽培成績を示した.また,初期増殖はポリエチレン製の容器が優れていた.木質敷料における大量増殖には,基本的にツクリタケ栽培の方法の適用が可能であるが,その物性の特殊性にもとずく,予想されなかった様々な要因が含まれており,木質敷料における最適の培養条件をさらに詳細に明らかにする必要がある. 2. 担子菌による木質敷料の分解,栄養学的変化 初年度のスクリーニングと同様に生態的地位の異なる30種の担子菌を殺菌,無殺菌条件で発酵木質敷料に接種し,木質敷料の分解を調査した.また使用した木質敷料は針葉樹であったので,広葉樹木質片をumekomukoto殺菌条件ではトキイロヒラタケ(Pleurotus salmoneostramineus)など木材腐朽菌の中に高い分解率を示すものが多く,コムラサキシメジ(Lepista sordida),ツクリタケ(Agaricus bisporus),ササクレヒトヨタケ(Coprinus comatus)など土壌生の担子菌の分解率は高いものでなかった.しかし,これらの土壌生の担子菌は無殺菌の木質敷料においても増殖を示したことから,木質敷料への強い基質(栄養的)依存性を示すことは明らかであった.その意義を明らかにするため構造性炭水化物の分解および窒素の資化の特性について化学分析により調査中である.
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Research Products
(2 results)