1999 Fiscal Year Annual Research Report
可溶性「糖鎖認識プロテイン」分子の構築による分化・細胞機能制御
Project/Area Number |
09660359
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Research Institution | Prefecture University of Kyoto |
Principal Investigator |
大西 正健 京都府立大学, 農学部, 教授 (90026576)
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Keywords | β-ガラクトシダーゼ / β-グルコセレブロシダーゼ / 酵母 / ウシ脳 / ウシ舌 / 味覚受容タンパク質 / 亜硫酸酸化酵素 / 硫黄酸化細菌 |
Research Abstract |
本年度の研究成果概要は以下の通りである。 1)酵母(K.lactis、S.cerevisiae)β-グリコシダーゼ:両菌株からβ-ガラクトシダーゼ(GAL)及びβ-1、3-エキソグルカナーゼ(LAM)を採取精製し純化標品を得た。いずれも糖転移作用を強く触媒しGALでは炭素数2、4、6のアルコール類及びグリセロール-OH基にガラクトースを転移した新規な糖鎖及び配糖体、またLAMではラミナリ-ビオースと-トリオースからラミナリ-オリゴ糖鎖(n=2〜6)、をそれぞれ製産することに成功した。研究成果は農芸化学会大会(東京)で発表する。 2)ウシ脳β-グルコセレブロシダーゼ:デシルセファロースに固定化した酵素(I)を用いて、分子的、酵素学及び速度論的諸特性の確認実験を繰り返したのち、「可溶性プロテイン」の構築を行った。研究の成果は農芸化学会大会(東京)で発表する。 3)ウシ舌味覚受容タンパク質:大量のウシ舌から味覚受容に関与するタンパク質(分子量58,000と64,000)を採取精製し、プロテアーゼ処理して得たペプチド(各々2断片)をHPLCにより調製しアミノ酸配列を決定した。配列データに基づいて遺伝子発現によるタンパク質の増産を進めている。 4)淡水魚の生殖細胞:受精シグナル機構(発信と受容)を調べる為、メダカの安定した飼育及び精子の凍結保存と卵母細胞の培養(3〜4日)法を確立した。本研究で購入した顕微鏡を用いて、凍結・培養実験の他、精子受容の初期過程を画像的に捉えた。研究成果は生物高分子学会(京都)で発表する。 5)硫黄酸化菌(Thiobacillus thiooxidans)亜硫酸酸化酵素:細胞下分画により細胞小器官の膜酵素であることが確認され速度論的観測と反応機構の解析を行った結果、「膜酵素プロテイン」装置の解発が可能性が確認され実用化の実験に入った。研究成果は応用糖質科学会大会(静岡)で発表した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Matsumoto, T.: "A microbial biosensor for high sensitive and automatic detenmination of sulfite in foods and food materials"J. Applied Glycoscience. 46(3)in press. (2000)
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[Publications] Matsumoto, T.: "Kinetic study of the sulfite dehydrogenase-catalyzed reaction in the subcellular state of Thiobaclllus thiooxidans"J. Applied Glycoscience. 46(4)in press. (2000)
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[Publications] 島田 睦: "ウシ脳グルコセレブロシダーゼに関する研究(1)-採取,精製,分子的特性の検討-"日本農芸化学会誌. 73. 26 (1999)
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[Publications] 藤村 裕子: "酵母Kluyveromyces lactis β-galactosidaseの転移反応"日本農芸化学会誌. 73. 33 (1999)
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[Publications] 松本 隆志: "食品中残存亜硫酸の高感度自動測定バイオセンサー装置、第1報硫黄酸化細菌の菌体による触媒反応の基盤解析"J. Applied Glycoscience. 46(3). 355 (1999)
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[Publications] 高橋 克夫: "グルコアミラーゼ反応におけるUrea効果、第1報、リガンド取り込み反応の速度論的解析"J. Applied Glycoscience. 46(3). 372 (1999)
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[Publications] 石嶌 純男: "細胞高分子学"学会出版センター. 161 (1999)
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[Publications] Ohnishi, M.: "Glycoenzymes"学会出版センター. 250 (2000)