1998 Fiscal Year Annual Research Report
下垂体前葉細胞の分泌機能に対するミオシンおよびミオシン軽鎖キナーゼの役割
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09670007
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
千田 隆夫 名古屋大学, 医学部, 助教授 (10187875)
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Keywords | 下垂体前葉細胞 / 分泌果粒 / 細胞内輸送 / アクチン / ミオシン / ミオシン軽鎖キナーゼ |
Research Abstract |
昨年度までの研究によってマウスの下垂体前葉細胞の分泌果粒にアクト・ミオシンがassociateしている可能性が示唆されていたが、これをさらに確かめるために次の実験を行った。 1. 下垂体前葉細胞をTriton Xでpermeabilizeし、heavy meromyosinに浸漬した。これを超薄切片にして電子顕微鏡で観察したところ、heavy meromyosinで修飾されたF-アクチンが分泌果粒膜に結合していた。その結合様式は2通りであり、F-アクチンの一端が直接分泌果粒膜に結合する場合と、F-アクチンと分泌果粒が短い架橋によってside-to-sideに結合する場合とがあった。 2. 下垂体前葉細胞を急速凍結エッチングレプリカ法で電顕観察すると、5nm周期のstripesで同定されるF-アクチンが分泌果粒に結合ていた。その結合様式は超薄切片法で観察した場合と同様であった。 3. F.アクチンと分泌果粒をside-to-sideに架橋する構造がミオシンではないかと推測されるので、次にアクチンとミオシンの二重免疫電顕法を試みた。下垂体前葉をLowicrylに包埋し、その超薄切片を抗アクチン抗体と抗ミオシン軽鎖抗体で免疫標識して電顕で観察した。分泌果粒の近傍でアクチンとミオシンが共存し、さらに果粒膜とアクチンの間にミオシンが局在する部位が検出された。 4. 以上の結果から、下垂体前葉細胞の分泌果粒にアクト・ミオシン系が結合していることが確実となったが、さらにミオシンの機能を制御するミオシン軽鎖キナーゼの局在を免疫電顕法で調べた。その結果、分泌果粒膜に近接してミオシン軽鎖キナーゼが局在していることがわかった。 これらのことから、下垂体前葉細胞の分泌果粒の輸送にアクト・ミオシン系が関与していることが強く示唆された。今後は、分泌果粒の輸送に関与する微細管・キネシン系とアクト・ミオシン系の2つの異なるシステムがどのように協調して果粒を運んでいるかを解明したい。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Senda Takao: "Cytoskeletal organization in the neurohypophysial axona of rats" Medical Electron Microscopy. 31. 94-99 (1998)
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[Publications] Senda Takao: "Intergranular bridges in the anterior pituitary cell and their possible involvement in Ca^<2+>-induced granule-granule fusion" Cell and Tissue Research. 292. 513-519 (1998)
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[Publications] YuWei: "Classification of the frog lingual gland cells and their exocytotic features" Journal of Electron Microscopy. 47. 73-80 (1998)
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[Publications] Senda Takao: "Widespread association of annexin II with intracellular membrane systems and involvement of annexin II in granule-granule fusion in addition to granule-plasma membrane fusion in anterior pituitary cells" Histochemical Journal. 30. 331-338 (1998)
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[Publications] Niwa Tae: "Acetylcholine activates intracellular movement of insulin granules in pancreatic β-cells via inositol triphosphate-dependent mobilization of intracellular Ca^<2+>" Diabetes. 47. 1699-1706 (1998)
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[Publications] Senda Takao: "Kinesin cross-bridges between neurosecretory granules and microtubules in the mouse neurohypophysis" Neuroscience Letters. in press.
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[Publications] 千田隆夫: "NEXT栄養科学シリーズ 解剖生理学" 講談社, 166 (1998)