1997 Fiscal Year Annual Research Report
マクロパイノゾームとファゴゾーム形成の機械的分子機構の解明
Project/Area Number |
09670017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
荒木 伸一 香川医科大学, 医学部, 助教授 (10202748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 哲也 香川医科大学, 医学部, 助手 (40243753)
波多江 種宣 香川医科大学, 医学部, 教授 (40037388)
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Keywords | エンドサイトーシス / ファゴサイトーシス / アクチン結合蛋白 / ミオシン / コフィリン / マクロファージ / 分子機構 |
Research Abstract |
本研究の研究では、アクチン関連蛋白であるcofilinとmyosinのファゴサイトーシスでの役割を形態学的に解析した。 1.マクロファージのファゴサイトーシス時におけるcofilinの局在変化 培養マクロファージにzymozan A(ZA)またはIgGオプソニン化ヒツジ赤血球(SE)を貧食させ、cofilinの局所変化を免疫蛍光法により観察し、同時にF-actinの局在をrhodamine-phalloidine染色により観察した。貧食開始5分の時点で細胞膜にZAまたはSEが接着した部位でアクチンが重合しphagocytic cupが形成され、同時にそこにcofilinが出現した。30分後ファゴゾームが細胞内に完全に取り込まれてアクチン線維は消失するとcofilinも見られなくなった。cofilinは、アクチンの脱重合作用があるためphagosome形成後のアクチン線維消失時に働くことが予想されたが、この観察結果から貧食の初期からアクチン線維の配列の再構成などに関与し、phagocytic cup形成にも働いていることが推測される。cofilin抗体の細胞内導入によるファゴサイトーシスの阻害は現有の抗体濃度では観察できなかった。現在高力価の抗体を作成中である。 2.Myosin阻害剤のphagocytosisに対する作用 Myosin ATPaseの阻害剤であるbutanedione monoxide(15mM)は、マクロファージのphagocytosisを抑制した。走査電顕による観察では、ヒツジ赤血球の周りに偽足が伸展してきているが伸展の程度が悪いためphagocytic cupは浅く、細胞内に取り込まれないようである。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 荒木伸一: "小胞の形と大きさ:Membrane flowとsolute flowの形態学理論" 愛媛医学. 16・2. 143-149 (1997)
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[Publications] 荒木伸一: "膵外分泌細胞の分泌顆粒とライソゾーム" 細胞. 26・5. 170-174 (1997)
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[Publications] Araki,N: "Cell Biology:A Laboratory Handbook 2nd Edition" Academic Press, 533 (1997)
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[Publications] Araki,N: "Methods in Molecular Biology" Humana Press, 印刷中