1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
年森 清隆 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (20094097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷井 一郎 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (40207171)
吉永 一也 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (50136719)
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Keywords | 精子 / 抗原 / 単クローン抗体 / 受精 / 精巣 / 精子形成 / 精巣上体 / 精子成熟 |
Research Abstract |
本研究から得られた結果を列記する。 1.MN9抗原(equatorin)について 次のような主な実験結果(マウスを用いた体外受精実験)により、分子量48KのMN9抗原は精子-卵子細胞膜融合過程に必要な分子であることが判明し、“equatorin"と命名した。1)mMN9抗体は、精子の運動性、透明帯接着そして透明帯通過に影響しなかった。2)Equatorinは、先体反応中に一部放出されたが、大部分は精子が囲卵腔に到達するまで残存した。3)mMN9抗体の存在下で、卵子に進入できない精子が囲卵腔に蓄積した。4)電顕観察の結果、表層粒が放出されず透明帯反応が阻害された。さらに、前核形成や2細胞期への発生も阻害された。これらの事実は、膜融合が阻害されることにより卵子の活性化が行われなかったことを意味している。〔Biol Reprod,accepted、1998〕 2.MN7抗原について モルモットにおいて、MN7抗原は精巣上体内成熟に伴って局在が変化することが分かった。すなわち、MN7抗体は先体内で生化学的変化と局在変化を起こした後に先体反応に関与することが分かった。〔Cell Tiss Res accepted、1997〕 3.精細胞の単離 ラツト精子細胞の分離法を確立し、ブレフェルジンの影響を調べた。その結果、円形精子細胞のゴルジ装置が可逆的に破壊されることにより、先体内容物質の輸送が障害されることが判明した。〔J Electron Microsc,accepted、1998〕 4)MC31抗原(分子量26-35Kタンパク)のクローニング _cDNA検索の結果、MC31の抗原はマウスCE9にホモロジーを示し、イムノグロブリン・ファミリーに属するタンパクである可能性が高いことが判明した。〔論文準備中〕 5.先体内抗原MN7とMC41に関する実験 特異抗体MN7とMC41を用いて、先体反応阻害実験を行い、データを補充した。〔論文準備中〕 MC101抗原について 抗体を用いて_cDNA作製を試みたがうまくいかなかった。その理由は、MC101抗原は精巣内では抗原性が弱いために検出できないと考えられた。感度の高い他の方法を検討中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 年森 清隆: "受精" 生体の科学. 48. 219-227 (1997)
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[Publications] Toshimori, K: "Maturation of mammalian spermatozoa:modifications of the acrosome and plasma membrane leading to fertilization." Cell Tissue Res.accepted. (1998)
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[Publications] Toshimori, K, Saxena, D. K. Tanii, I. and Yoshinaga, K.: "An MN9 antigenic molecule, equatorin, is required for successfur sperm-oocyte fusion in mice." Biol. Reprod. accepted. (1998)
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[Publications] Yoshinaga, K. Tanii, I. Saxena, D. K. and Toshimori, K.: "Immunocytochemical alterations in the intra-acrosomal antigen MN7 during epididymal maturation of guinea pig spermatozoa." Cell Tissue Res.accepted. (1998)
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[Publications] Tanii, I.,Yoshinaga, K. and Toshimori, K.: "The effects of brefeldin A on acrosome formation and protein transport to the acrosome in organ cultures of rat seminiferous tudules." J. Electron Mictosc.accepted. (1998)
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[Publications] 年森清隆: "標準細胞生物学" 医学書院, (1998)