1998 Fiscal Year Annual Research Report
プロテインフォスファターゼの細胞内局在とその信号伝達における機能的役割の解析
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09670042
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高井 章 名古屋大学, 医学部, 助教授 (50126869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳納 博幸 名古屋大学, 医学部, 助手 (60155520)
久場 健司 名古屋大学, 医学部, 教授 (60080561)
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Keywords | プロテインフォスファターゼ / 蛋白質燐酸化 / 信号伝達 / オカダ酸 / ミクロシスチン / トートマイシン / CFTR / 毛様体筋 |
Research Abstract |
本研究は、細胞運動や形質膜を介するイオンの透過・輸送の過程に対して、タンパク質の可逆的燐酸化がはたす調節的役割、特に脱燐酸化過程のはたす役割を解明することを目的としたものであった。平成9-10年度を通して行った実験とその成果は以下の通りである。 1. 平滑筋ミオシンフォスファターゼ阻害剤トートマイシンの作用機序の検討 平滑筋収縮調節に関わる主要なミオシン脱燐酸化酵素であるPP1に対して非常に高い親和性で結合し抑制作用を示す土壌放線菌毒素の一種トートマイシンとその誘導体の作用機序を、その酵素のcDNAを大腸菌で大量発現させたものを用いて分子レベルで検討した。 2. 毛様体平滑筋細胞におけるムスカリン作動性非選択性陽イオンチャネルの同定 ウシ毛様体の単離平滑筋細胞においてバッチクランプ法による実験を行い、この平滑筋組織にM_3型ムスカリン受容体刺激に伴って活性化される非特異性陽イオンチャネルが存在することを初めて確認した。またこのチャネルが筋の持続的収縮に必要な細胞外からのCa^<2+>流入経路の一つとして機能していることを示す知見を得た。 3. 心筋型CFTR-Cl^-チャネルの燐酸化による調節機序の研究 心筋に存在し、細胞体積恒常性維持などに重要な役割を演じている可能性のある非腺細胞性のCFTR-Cl^-チャネルが、アントラセン-9-カルボン酸により抑制されるフォスファターゼによって調節されていることを強く示唆する知見を得た。このフォスファターゼは、Mg^<2+>イオンを要求する点ではPP2Cに類似するが、各種クロマトグラフィにおいてそれとは明らかに性質を異にし、おそらく新規の酵素であるものと思われる。現在、液クロ操作により、かなりの程度まで精製が進んでおり、まもなくクローニングの作業に取りかかりうる見通しである。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Takai,Y., Awaya,S.& Takai,A.: "Activation of non-selective cation conductance by carbachol in freshly isolated bovine ciliary muscle cells" Pflugers Archiv-European Journal of Physiology. 433 (6). 705-712 (1997)
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[Publications] Zhou,S.S., Takai,A.Tominaga,M.& Okada,Y.: "Phosphatase-mediated enhancement of cardiac cAMP-activated Cl^- conductance by a Cl^- channel blocker, anthracene-9-carboxylate" Circulation Research. 81. 219-228 (1997)
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[Publications] Takemura,M, Kitagawa, et al.: "Phosphorylated retinoblastoma protein stimulates DNA polymerase α" Oncogene. 15. 2483-2492 (1997)
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[Publications] Yotsu-Yamashita,M., et al.: "Phosphorylated retinoblastoma protein stimulates DNA polymerase α" Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics. 印刷中. (1999)
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[Publications] 高井 章: "蛋白質脱燐酸化反応:解析の基本手技" 日本血栓止血学会誌. 8 (6). 504-516 (1997)
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[Publications] 高井 章: "PP1およびPP2Aに特異的阻害作用を有する天然毒素" 蛋白質・核酸・酸素. 43 (8). 1091-1101 (1998)
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[Publications] Botana,L.M.(ed.): "Seafood Toxicity : Mode of Action, Pharmacology and Physiology" Marcel Dekker, Inc. (New York) 印刷中, (1999)