1997 Fiscal Year Annual Research Report
L型Caチャンネルリン酸化部位とリン酸化以降の機能発現機構
Project/Area Number |
09670044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山岡 薫 広島大学, 医学部, 講師 (10200586)
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Keywords | L型Caチャネル / リン酸化 / マグネシウム / 心筋 / カエル |
Research Abstract |
L型Caチャネルの調節についてこれまで細胞内の二価イオンが重要な役割を果たすことを示してきた。特に細胞内Mg^<2+>が生理的濃度以下に低下すると著しい電流増加を生じることから細胞内Mg^<2+>が通常はCa電流を抑制しており、何らかの制御信号が働くとMg^<2+>を介するL型Caチャネルの調節がなされると考えた。しかし心筋においては細胞内Mg^<2+>が著しく低下する事は起こらないと考えられており、細胞内Mg^<2+>のL型Caチャネル調節の生理的意義が問われていた。本研究においては細胞内Mg^<2+>のcAMP依存性リン酸化経路での役割を明らかにする事を目的とし以下の結果が得られた。リン酸化されたカエル心筋L型Caチャネルは非リン酸化Caチャネルと比しCa電流の細胞内Mg^<2+>に対する感受性が低下していた。Ca電流増大機構がシングルチャネルレベルで低Mg^<2+>による増大とリン酸化による増大で一致していた。この事から非刺激時には細胞内Mg^<2+>で抑制されていたCaチャネルがリン酸化されると、Mg^<2+>との結合が失われその結果Mg^<2+>による制御が除かれ電流が増大する機構が存在することを示した。つまりMg^<2+>はリン酸化過程以降の調節機構として働いていることを明らかにした。また細胞内にトリプシンを投与すると生理的Mg^<2+>存在下で電流が増大することから、リン酸化、Mg^<2+>によるチャネル蛋白上の調節部位がα1サブユニットのC末部に存在する可能性を示した。
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