1998 Fiscal Year Annual Research Report
L型Caチャンネルリン酸化部位とリン酸化以降の機能発現機構
Project/Area Number |
09670044
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山岡 薫 広島大学, 医学部, 助教授 (10200586)
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Keywords | L型Caチャンネル / マグネシウム / カルシウム / リン酸化 / 心筋 / ウシガエル / 後根神経節細胞 / システイン |
Research Abstract |
心筋L型Caチャネルの制御に関して細胞内Mg^<2+>のブロック作用の役割を明らかにした。特にベータ受容体刺激からの経路によりA-kinaseを介してリン酸化が引き起こされる際に、L型Ca電流増大の調節が行われるのはMg^<2+>のブロック作用が減弱することがその成因であることを示した。本年度の研究の目的は1.そのMg^<2+>の結合部位究明の足がかりを得ること、また2.このMg^<2+>の効果は普遍的に他組織、あるいは他種の細胞に見られる現象であるのかどうかを明らかにする事であった。1.においてはタンパクを構成するアミノ酸の一つであるcysteineに特異的に結合する膜非透過性の化学物質がリン酸化によって電流を増大する機構に影響を与えることから、その制御部位が細胞内側のcysteineを含む事を示した。この事によってチャネルリン酸化による制御部位の同定が困難を極めている中で、具体的なターゲットを示すことが出来た。今後人為的にL型Caチャネルを発現させる実験において細胞内面側のcysteine残基に焦点を当てて、研究を進める事が重要であると考えられる。2.においては心筋で見られたようなL型Caチャネルの細胞内Mg^<2+>の調節はカエル後根神経節細胞にはないことが判った。これはこの細胞のL型CaチャネルがA-kinaseのリン酸化による調節が見られないこととの関連が示唆された。今後、さらにA-kinaseの調節を受けるL型CaチャネルとMg^<2+>調節の存在の有無を対比することによってこの点が確認されるであろう。
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