1997 Fiscal Year Annual Research Report
クローン化されたN型カルシウムチャンネルの電気生理学的特性の研究
Project/Area Number |
09670063
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
若森 実 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (50222401)
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Keywords | カルシウム / チャンネル / パッチクランプ / ω-conotoxin GVIA / 仕様頻度依存性 / 不活性化曲線 / クローン |
Research Abstract |
神経細胞には少なくとも5種類の電位依存性Caチャンネルが混在し、これがチャンネル特性の研究の妨げとなっている。そこで、クローン化したα_<1B>(N型)Caチャンネルをbaby hamster kidney cellに発現させ、このチャンネルの電気生理学的特性をパッチクランプ法を用いて検討した。N型チャンネルは膜電位-30mV以上で活性化される高閾値活性型チャンネルで、ω-conotoxin GVIAに高い感受性を示した。最大電流値としては、Ba>Sr=Caの順であり、BaとCaはanomalous mole fraction効果を示した。このチャンネルは2価陽イオン非存在下に於いて、Naに対し高い透過性を示した。2価及び3価の陽イオンはBa電流をLa>Cd>Zn>Ni>Coの順で濃度依存性に抑制した。La及びCdは、電流のdecayを加速した(additional block)。しかし、Cdは不活性化曲線や使用頻度依存性(2Hz)に影響を与えなかった。後者に影響を与えなかった理由は、チャンネルがこのadditional blockから数ms以内に回復するためであった。更に、1μMCd存在下にtestpulseの直線に強い脱分極を与えると、電位(V_<0.5>=82mVfor2ms)及び時間依存性(τ=0.39ms at 130mV)にBa電流の増強が見られた。このBa電流の増強はCdが強い脱分極により除去されたためと推測される。しかし、ほぼ同時にCdの再抑制が起こり電流のdecayを加速した。この速度の解析からblocking rate coefficientは2×10^8s^<-1>M^<-1>程度で、Cdの拡散限界速度に近い値であった。以上のことから、Cdはopen channel blockを起こし、その結合部位はチャンネルポアの外側の開口部付近にある事が示唆された。
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