1997 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子情報と細胞内シグナル伝達系の解析による非ふるえ熱産生の調節機構の解明
Project/Area Number |
09670083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nayoro City University |
Principal Investigator |
八幡 剛浩 市立名寄短期大学, 看護学科, 教授 (60041828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内海 計 旭川医科大学, 第1生理学講座, 助手 (90271759)
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Keywords | 非ふるえ熱産生 / 褐色脂肪組織 / 寒冷馴化 / ノルアドレナリン / グルカゴン / Ca / 組織血流量 / 尾部皮膚温 |
Research Abstract |
耐寒性の亢進には非ふるえ熱産生(NST)の亢進が重要な役割を果たしている。NSTの主な発現因子はノルアドレナリン(NA)であるが、膵ホルモンのグルカゴンもNAに匹敵する強力な因子である事が知られている。本研究では、NSTの調節に果たすグルカゴンの役割と作用の機序を明らかにする為に、温暖馴化ラット、寒冷馴化ラット及びCaを過剰摂取させたラット(Ca-ラット)について、NA及びグルカゴンに対する反応性を調べ以下の結果を得た。 1)温暖馴化ラットで、NA、グルカゴン持続静注は共に結腸温及びNSTの主要発現部位である褐色脂肪組織(BAT)温を著しく上昇させた。上昇作用はNAの方が大であった。 2)寒冷馴化ラットでは、これら因子に対する反応性が亢進していた。 3)温暖馴化ラットの尾部皮膚温及び血流量は、NAによって増加したが、寒冷馴化ラットでは逆に低下した。 4)グルカゴンでは尾部皮膚温、血流量共変化が見られなかった。 5)Ca-ラットでは、NAによる結腸温及びBAT温の増加の程度が抑制され、尾部皮膚温は低下した。グルカゴンでは対照群と差が無かった。 これらの結果は、耐寒性の増強には皮膚血管運動の反応性の亢進も大きな役割を果たす事、及び過剰の2荷の陽イオンはBATの熱産生に対し抑制的に作用する事を示唆している。
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