1997 Fiscal Year Annual Research Report
モノアミン作動性神経間クロストークの機能・形態構築と異種受容体発現メカニズム
Project/Area Number |
09670085
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉岡 充弘 北海道大学, 医学部, 教授 (40182729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永島 雅文 北海道大学, 医学部, 講師 (40241319)
松本 真知子 北海道大学, 医学部, 助手 (70229574)
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Keywords | セロトニン / モノアミン / 系統発生学 / シナプス |
Research Abstract |
系統発生学的事実より、5-HT作動性神経の伝達物質遊離調節機構として、DAおよびNA作動性神経がどのような順序でシナプスを形成していくのか、また神経はどのようにして、何を目標として到達すべき神経へと向かうのか。本研究では5-HT、DA、NA三者間の胎生期を含めた発生・発達過程におけるシナプス形成順序を捉えることを目的とした。平成9年度には5-HT異種受容体(ヘテロレセプター)蛋白の発現機構を薬理学的、分子生物学的アプローチにより明らかにすることを主眼においた。NA受容体による5-HT遊離調節機構が存在する海馬において、α_2受容体の受容体蛋白のmRNAは5-HTの最大の神経核である背側縫線核にその発現が認められた。これは5-HT作動性神経終末にα受容体が発現することを遺伝子レベルで明らかにしたものである。したがって、機能的にその存在が示唆されていた5-HT作動性神経終末のα受容体を介する5-HT遊離調節機構の存在を裏付けるものである。おそらく、α受容体蛋白遺伝子はNAという神経伝達物質を獲得した後に5-HT作動性神経が獲得したと思われ、この問題については次年度は明らかにされることが期待される。
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