1997 Fiscal Year Annual Research Report
洞調律における多源性ペースメーカ領域の役割とその機構の解明
Project/Area Number |
09670090
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
古川 安之 信州大学, 医学部, 助教授 (10111791)
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Keywords | 歩調取り活性 / 洞結節 / 心拍数 / 自律神経 / カルシウム電流 / 過分極誘発内向き電流 / 遅延整流カリウム電流 |
Research Abstract |
実験は多源性ペースメーカ領域の同定とその発現条件を確定するため、交感・副交感神経刺激によるペースメーカ領域の反応性の検討とペースメーカ領域に対するカルシウムチャネル拮抗薬、過分極誘発内向き電流阻害薬、遅延整流カリウム電流阻害薬の作用の検討を行った。雑種成犬を麻酔後、人工呼吸器管理下に、開胸し、迷走神経(副交感神経)を頸部で、星状交感神経節の心臓側でそれぞれ結紮し、座滅し、中枢からの神経調節を除き実験を行った。48極単極電極板(作成)を洞結節領域を含む1.5cm×3.5-4cmの領域をカバーするように縫着し、マッピングシステムを用い、等時線マップを表現すると同時にデータをフロッピ-デスクに蓄積した。等時線マップより最早期領域(ペースメーカ領域)を確認した。交感神経あるいは副交感神経(迷走神経)電気刺激し、ペースメーカ領域を求め、次に交感神経刺激下に迷走神経の刺激あるいは迷走神経刺激下に交感神経の刺激を行った。交感神経刺激により心房拍動数は増加し、最早期領域は右心房前面上部に存在し、迷走神経刺激によって拍動数は低下するとともに最早期領域も下方に移動した。一方、迷走神経刺激によって拍動数は低下し、最早期領域は下方に移動する傾向を示したが、交感神経刺激によってその領域は変化しなかった。拍動数はわずかに増加した。また、交感神経刺激による最早期領域はカルシウムチャネル拮抗薬によって下方に移動したが、過分極誘発内向き電流阻害薬及び遅延整流カリウム電流阻害薬は有意な影響を与えなかった。(結果の一部は第70回日本薬理学会年会、第97回日本薬理学会関東部会で発表した。)
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