1998 Fiscal Year Annual Research Report
脳由来の新しいプロテアーゼインヒビターの神経細胞アポトーシスにおける役割
Project/Area Number |
09670092
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西堀 正洋 岡山大学, 医学部, 助教授 (50135943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢田 研 岡山大学, 医学部, 助手 (50304308)
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Keywords | Serine proteinase inhibitor / Apoptosis / Neuron / Proteinase / Thrombin / Trypsin |
Research Abstract |
GST-B-43融合蛋白は、トロンビン、トリプシン、7SNGF、プラスミン、α-キモトリプシンとインキュベーションすると、SDS安定性の複合体を形成し、抗B-43抗体でプロッチングを行うと高分子量域に対応する複合体が見い出された.GST一B-43融合蛋白はまた、トロンビン、トリプシン、α-キモトリプシン活性を抑制したが、複合体を形成しなかったエラスターゼは抑制しなかった。これらの結果は、トロンビン、トリプシン様セリンブロテアーゼがB-43の標的プロテアーゼとなりうることを示唆している。トリプシン、α-キモトリプシンの豊富な膵臓における局在を免疫組織学的に検討したところ、膵臓腺房細胞に高濃度存在することがわかった。このことは、B-43が腺房細胞内で活性化されたチモーゲンのインヒビターとして働く可能性を示唆する。B-43はreactive siteの前後にメチオニン残基を有しており、かつ、B-43のnative蛋白を活性保持したまま精製することが非常に困難であったので、α1-antitrypsinの場合のように、メチオニン残基の酸化が活性消失に関与している可能性が考えられた。そこで、これらメチオニン残基の変異体(M→A)蛋白を作製し、プロテアーゼインヒビター活性に及ぼす効果をin vitro translation法で作製した[35S]標識変異体とトロンビンの複合体形成能を指標に解析した.その結果、何れの変異体にも同程度の活性があり、また、野性型をhypoxanthine-xanthine oxidaseで酸化処理した場合にも活性は残存した。これらの知見は、B-43のセリンプロテアーゼインヒビター活性にreactive site周辺のメチオニン残基が関与しないことを示している。脳虚血時における発現変化は、細胞内に存在する類似酵素の活性調節を介してB-43/SPI-3が神経細胞アポトーシスに関与することを示唆している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Masahiro Nishibori: "Localization of a serine proteinase inhibitor,B-43,in the bevine pancreas" Histochemistry Cell Biology. 110. 51-56 (1998)
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[Publications] Naoki Nakaya: "The expression and localization of serine proteinase inhibitor PI-6 mRNA in developmental and ischemic intase brain" Neuroscience Research. 32. 221-230 (1998)