1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670098
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Research Institution | FUKUSHIMA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
木村 純子 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (10186322)
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Keywords | ナトリウム・カルシウム交換 / 心筋細胞 / 阻害薬 / パッチクランプ / モルモット / ナトリウム電流 / 膜電流 / リン酸化 |
Research Abstract |
(1) 新しい心筋保護薬JTV-519のモルモット心室筋細胞の膜電流に対する作用をホールセルクランプ法で調べた。JTV-519はNa-Ca交換電流には影響しなかったが、Na電流、Ca電流、内向き整流性K電流(I_<K1>)を抑制した。Na電流抑制作用は電位依存性および頻度依存性であった。頻度依存性の程度は、リドカインより遅く、キニジンに似ていた。IC_<50>値は保持電位-90mVで2μM,-60mVで1.2μMで、キニジンやリドカインよりはるかに低い濃度やあった。Ca電流、内向き整流性K電流(I_<K1>)も抑制した。また活動電位のプラトー相を短くした。この論文はJpn.J.Pharmacol.にもうすぐ掲載される。 (4) Butane dione monoxime (BDM)が モルモット心室筋のNa-Ca交換電流を抑制することを見出した。IC_<50>値は2.4mMであった。この薬物は抗有機リン化合物なので、同様の作用を持つpralidoxime(2-PAM)も試したところ、これも交換電流を抑制した。そこで、BDMと2-PAMがNa-Ca交換担体のリン酸化部位に結合し、燐酸を取り去ることにより交換電流を抑制するのではないかと考えている。(論文準備中) (5) クラスIII抗木整脈薬のアミオダロンもモルモット心室筋のNa-Ca交換電流を抑制することを見出した。IC_<50>値は約3μMであった。細胞内液にトリプシンを入れておくと、この抑制作用はみられなくなった。したがってアミオダロンは細胞内の部位に作用して交換電流を抑制すると考えられる。(論文準備中)
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[Publications] Kimura, J.: "Effects of a novel cardioprotective drug, JTV-519, on membrane currents of guinea pig ventricular myocytes." Japanese Journal of Pharmacology. 79. 275-281 (1999)
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[Publications] Watano, T.: "Calcium-dependent inhibition of the soudium-calcium exchange current by KB-R7943" Canadian Journal of Cardiology. 14. 259-262 (1998)