1997 Fiscal Year Annual Research Report
心筋興奮収縮連関における小胞体Ca放出機構の薬理学的再検討
Project/Area Number |
09670103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
遠藤 實 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (50009990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池本 隆昭 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (30275854)
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Keywords | 心筋 / 興奮収縮連関 / Ca^<2+>によるCa^<2+>放出(CICR) / 筋小胞体 / スキンドファイバー / リアノジン受容体 / Ca^<2+>放出チャネル / アデニン / カフェイン |
Research Abstract |
心筋の興奮収縮連関は、興奮時の細胞外からの流入Ca^<2+>が小胞体のCa^<2+>放出チャネルを開口し、その結果小胞体から放出されるCa^<2+>が収縮を惹起すると一般的に考えられている。そうであれば、小胞体のCa^<2+>によるCa^<2+>放出(CICR)の抑制薬は心筋の興奮収縮連関を抑制するはずなので、本研究ではその点を検討することを目的とした。 まず、アデニンがATP存在下の骨格筋小胞体のCICR抑制薬として作用することを以前我々は示したが、心筋でも同様であることを確認した。すなわち、アデニンは0.1mM以上で、ラット心室乳頭筋skinnedfiberの小胞体においても、それ自身ではCICRを促進したが、同種の促進作用をずっと強力に有するATPの存在下ではアデニンを共存させるとCICRはむしろ抑制された。ATPの強い促進作用がアデニンの弱い促進作用で置き換えられるためと解釈される。 上記の事実から、ATPを含有する生きた心筋細胞においてはアデニンはCICR抑制薬として作用するはずである。これを確かめるために、生きたラット心室乳頭筋においては、アデニンはCICR促進薬であるカフェインの作用に拮抗するかどうかを調べた。カフェインは約0.5mM以上で心筋の電気刺激による収縮を増大させ、5mM以上の高濃度では拘縮を起こすが、それらの効果はいずれもアデニンによって濃度依存的に抑制された。依存して抑制される。したがって、確かにアデニンはCICRを抑制していると考えられる。 しかし生きた心筋のCICRを強く抑制する10mMアデニン存在下においても、ラット心室乳頭筋の電気刺激による正常な収縮は全く抑制を受けず、むしろ収縮は増大した。この結果が、心筋の生理的な興奮収縮連関はCICRを介するものであるという一般的な考えとどう折り合いがつけられるのか、さらに検討する予定である。
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