1999 Fiscal Year Annual Research Report
眼球運動電位図を用いた中枢神経作用薬の薬理作用と薬物動態の関連-性差・年齢差・併用薬・使用期間・人種差の検討
Project/Area Number |
09670105
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
内田 英二 昭和大学, 医学部, 助教授 (80175223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉田 知光 昭和大学, 医学部, 講師 (80231299)
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Keywords | 薬物動態(PK) / 薬理作用(PD) / 眼球運動解析 / 中枢作用 / 性差 / 人種差 |
Research Abstract |
医薬品の有効性と安全性を推測する上で、薬物動態(PK,pharmacokinetics)及び薬利作用(PD,pharmacodynamics)の関係を明らかにすることは有用である。ヒトにおけるPDの解析には簡便性・再現性・感度・非侵襲性が求められる。コンピュータを用いた眼球運動解析(C-EMA,computer-assisted eye movement analysis)は上記要素を満たすものと考えられる。C-EMAを用い抗不安薬ニトラゼパムのPKと中枢神経に及ぼすPDの評価を試みた。 1.健常成人を対象として、double-blind randomized placebo controlled crossover法で実施した。最大眼球移動速度はニトラゼパム群で有意に減少した。追跡眼球運動では有意な差は認めなかった。2.PK及びPDの性差をC-MEAを用いることにより検討した。日本人健常成人男性8名、女性8名の計16名を対象とした。試験は,double-blind randomized placebo controlled crossover法にて行った。追跡眼球運動はプラセボ服用時の比較で、女性が男性より明らかに低下していた。3.ニトラゼパムのPK・PDを日本人と白人で比較検討した。試験は日本およびオランダで同一計画書に基づき同一機器を用いて実施した。日本人と白人でPK・PDに著明な相違は見られなかった。4.眼球運動に及ぼす女性の性周期の影響を検討した。性周期はベースラインのC-EMAに影響を及ぼさなかった。 C-EMAは、簡便で感受性が高く再現性の富むもので、中枢に作用する薬物のヒトにおける評価法として応用価値が高いものと思われた。
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