1998 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性血管内皮細胞障害におけるLDLコレステロールの関与
Project/Area Number |
09670110
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
鎌田 勝雄 星薬科大学, 医薬品化学研究所, 助教授 (40121496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末永 浩 星薬科大学, 医薬品化学研究所, 助手 (70277698)
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Keywords | 糖尿病 / ストレプトゾトシン / LDLコレステロール / Ca^<2+> / スーパーオキシドジムムターゼ / スーパーオキシドアニオン / エンドセリン-1 / ブロスタノイド |
Research Abstract |
申請者は糖尿病時における血管障害の発症機序におけるLDLコレステロールの関与について内皮細胞の機能に焦点を当て研究した。 1) ストレプトゾトシンは血糖値を上昇させた。低濃度のインスリンおよびは血中LDLコレステロールを増加させ、この増加したLDLは肝臓のLDL受容体の脱感作を生じた。高血糖はまたMn^<2+>-superoxide dismutase(Mn-SOD)のmRNAの発現およびSODの活性を減少した。このSOD活性の低下は内皮細胞から遊離されるNOを不活性化させ、さらにLDLを酸化し、この酸化LDLは内皮細胞の機能を低下することが示唆された。 2) 糖尿病マウスにおいて、内皮細胞内へ流入するCa^<2+>が減少することを見い出し、このCa^<2+>流入低下はコレスチラミンを慢性投与することから、糖尿病時に見られ内皮細胞へのCa^<2+>流入低下はコレステロール、特に酸化LDLが関与していることが明らかとなった。酸化LDLから遊離されるlysophosohatldylcholine(LPC)は内皮細胞へのCa^<2+>流入を著明に抑制することから、LPCは内皮細胞へのCa^<2+>流入に影響を与えていることが示唆された。 3) 糖尿病ラットでは、血糖値およびendothelin-1(ET-1)が著明に増加していることを見い出した。ET-1による収縮反応および弛緩反応は糖尿病ラットの腸間膜動脈床においてともに減弱していたが、これは血中に増加したET-1によるものと考えられる。 4) α作動薬であるメトキサミンによる収縮反応は、糖尿病ラットの腸間膜動脈床において著明に減弱していたが、これはPGl_2の産生増加とTXA_2の産生低下によるものであることを明らかにした。これらのことから、糖尿病ラットの血管では、プロスタノイドの代謝が変化している可能性を明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 小林恒雄: "Relationship among cholesterol, superoxide anion and endothelium-dependent relaxation in djabetic rats" Eur.J.Pharmacol.367. 215-222 (1999)
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[Publications] 鎌田勝雄: "Ca2+ mobilization in the aortic endothelium is in streptozotocin-induced diabetic and cholesterol-fed mice" Br.J.Pharmacol.123. 1509-1516 (1998)
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[Publications] 末永 浩: "Lysophosphatidycholine potentiates vascular contractile responses by enhancing vasoconstrictor-induced increased in cytosolic free Ca2+ in rat aorts." Eur.J.Pharmacol.361. 217-226 (1998)
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[Publications] 牧野綾子: "Possible modulation by endothelin-1, nitric oxide, prostagiandin I2 and thromboxane A2 of vasoconstriction induced by an a-agonist in mesenteric arterial bed from diabetic rats" Diabetologia. 41. 1410-1418 (1998)