1997 Fiscal Year Annual Research Report
血管平滑筋ATP感受性K及び電位依存性Kチャネルの細胞骨格蛋白による修飾
Project/Area Number |
09670114
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
北村 憲司 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (30112345)
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Keywords | イオンチャネル / Kチャネル / ATP-感受性Kチャネル / 平滑筋 / 細胞骨格 / チャネル活性化 |
Research Abstract |
単離したウサギ門脈平滑筋細胞のATP-感受性K電流活性に対する細胞骨格蛋白による影響を検討するため、アクチンフィラメント脱重合作用を持つcytochalasinDと安定化作用を持つphalloidinを投与し、その効果をwhole-cell patch-clamp法を用いて調べた。100uM pinacidilによって惹起されたATP-感受性K電流の最大振幅は細胞や個体によって大きく異なっていた(0〜400pA)。cytochalasin Dの効果を検討するために電極内液にcyrochalasin D(20uM)を添加し、10分後100uM pinacidilを投与し最大振幅を比較したところcytochalasin D非投与群(control)の個体の平均は95±74pA(n=22)であり、投与群では97±59pA(n=22)であった。しかし、同一個体から得られたcytochalasin D非投与細胞で惹起された電流の平均最大振幅を100%として投与群で惹起された電流を相対値で表すと60±40%(n=22)となった。100uM pinacidilで惹起した電流が安定した時点(投与後10〜15分)で細胞外にcytochalasin D(20uM)を投与すると50%の細胞(n=6)で電流減少が認められ、残りの細胞では変化が認められなかった。一方、細胞外にphalloidin(20uM)を投与すると12例中4例の細胞(33%)で電流増強が認められ、6例では変化がなかった。また、2例の細胞では電流減少が見られた。以上のことから、Kチャネル開口薬で惹起されたATP-感受性Kチャネルにおいても細胞骨格蛋白が活性調節に関与している可能性が示唆された。門脈細胞のATP-感受性Kチャネルは細胞内GDPなどの内因性活性化物質によってチャネルが"operative state"にないと薬物によるチャネル開口が起こらないため細胞骨格がこの状態の維持に必要なのか、開口状態の維持に必要なのかをsingle channel recordingによって明らかにする。
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