1997 Fiscal Year Annual Research Report
神経型一酸化窒素合成酵素のカルシウム情報伝達系における活性制御の解析
Project/Area Number |
09670123
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡邊 泰男 名古屋大学, 医学部, 講師 (10273228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横倉 久幸 名古屋大学, 医学部, 助手 (90273242)
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Keywords | カルシウム情報伝達 / カルモデュリン依存性酵素 / 一酸化窒素合成酵素(NOS) / 非活性型ミュータントNOS / 活性化メカニズム / リン酸化による機能制御 |
Research Abstract |
本研究では新たなるカルシウム情報ネットワークの解明のためカルモデュリン(CaM)により活性化される酵素のなかで神経型の一酸化窒素合成酵素(nitric oxide synthase:NOS)を介した中枢神経機能を分子レベルで解明することを目的とする。本年度は、先ずnNOSのCaM結合ドメインのCaM結合に必須なアミノ酸をペプチド化学的、点変異法により明らかにした。この結果得られたCaM結合能を有しないが2量体形成能を有する非活性型神経型NOSミュータントは、2量体形成が活性化に不可欠なnNOSの活性化メカニズム解明にとって重要な基礎研究の一つと考えられる。現在ではこのミュータントを用い、NOSの活性化メカニズムについて学会発表するにいたっている。一方、リン酸化によるNOSの活性制御機構検討においては、リン酸化を通してnNOSの機能制御を行っていると考えられるCa^<2+>/CaM依存性蛋白質リン酸化酵素I(calcium/calmodulin dependent protein kinase I:CaMKI)の新しいアイソフォームのクローニングを通してアイソフォーム特異的なCaMKIの活性化メカニズムを発見した。このことによって、インビボ・インビトロにてnNOSのCaMKIによるリン酸化を検討するのに重要な情報を得ることができた。 また、中枢神経に多く発現しているカルシウム結合蛋白のニューロカルシンの新しいアイソフォーム(アルファ)のクローニングとその生化学的性格の分析を行った。本年度に得られた知見に基づいて今後は、NOSを介した新たなるカルシウム情報ネットワークの分子レベルでの解明を行っていく。
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[Publications] Kato M.: "Cloning and expression of a cDNA encoding new neurocalcin isoform (neurocalcin α) from bovine brain" Biochem.J.(in press). (1998)
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[Publications] Naito Y.: "Isoform-specific activation and structural diversity of CaM kinase I" J. Biol. Chem.272. 32704-32708 (1997)
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[Publications] Osuka K.: "Vasodilator effects on canine basilar artery induced by intracisternal Interleukin-1β" J.Cerebr.Blood F.Met.17. 1337-1345 (1997)
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[Publications] Watanabe Y.: "Identification of a specific amino acid cluster in the calmodulin-binding domain of the neuronal nitric oxide synthase" FEBS Lett.403. 75-78 (1997)
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[Publications] Yokokura H.: "Isolation and comparison of rat cDNAs encoding Ca^<2+>/calmodulin-dependent protein kinase I isoform" Biochim.Biophys.Acta. 1338. 8-12 (1997)
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[Publications] 渡邊 泰男: "NOSの分子生物学的解析による構造機能活性相関ならびに活性化メカニズムの検討" 日本薬理学雑誌(Folia Pharmacol.Jpn.). 110. 69-75 (1997)