1999 Fiscal Year Annual Research Report
筋ジストロフィーの病態解釈を目的としたサルコグリカン複合体の研究
Project/Area Number |
09670169
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Research Institution | NATIONAL CENTER OF NEUROLOGY AND PSYCHIATRY |
Principal Investigator |
吉田 幹晴 国立精神・神経センター, 神経研究所・機能研究部, 室長 (70111151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 総子 国立精神・神経センター, 神経研究所・機能研究部, 研究員
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Keywords | 筋ジストロフィー / サルコグリカン複合体 / ジストロフィン / DMD / SCARMD / ジストロフィン結合タンパク質 |
Research Abstract |
昨年我々はサルコグリカン複合体(SGC)がシントロフィン(STN)、ジストロブレビン(DBN)と結合していることを報告した。今年度我々はこの結合についてSTNやDBNがどの様にSGCと結合しているのか調べた。ジストロフィン(DTN)-ジストロフィン結合タンパク質(DAP)複合体をカルパインで部分消化したところ、DTNは断片化したが、SYNを含む殆どのDAPは変化が認められなかった。残るDBNはC末側が分解され、N末側38kDaの断片になることが発見された。消化物をWGAゲルで分画してみるとDBN断片は糖鎖がないにもかかわらず大部分のDAPと共に結合画分に検出され、反面STNは結合しなかった。従ってSTNでなく、DBNがSGCに結合していることを強く示唆する結果であった。ただし結合画分に同じく含まれるジストログリカン複合体(DGC)と結合する可能性も否定できなかった。そこで消化物のWGA結合画分を昨年報告した熱処理によってDGCを含まないSGCを調製し、そこにDBN断片が含まれるか否かを調べた。期待通り検出され、我々はDBNのN末側にSGCと結合する部位があると結論するに至った。 DBNは筋において共通のN末を持つ3種(DBN-1,-2,-3)が発現している。その何れもがSGCと結合することがわかった。DBN-1と-2は別にDTN及びSTN結合部位を持ち、DBN-3は持たないことが知られている。従ってDBN-1と-2の方はDTNとSGCを結ぶことになり、その間にSTNが割って結合していると考えられる。α-STNは一方でnNOSと結合することが知られており、従ってSGCとnNOSが物理的につながっていると考えられる。SGCはレセプターである可能性が指摘されている。従って何らかのリガンドがこれと結合し、シグナル分子であるnNOSの活性が制御される可能性を考えることができる。
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[Publications] 吉田幹晴: "サルコグリカノパチー(その概念成立と最近における研究の進歩)"神経研究の進歩. 44巻2号(in press). (2000)
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[Publications] Yoshida, M.: "Biochemical evidence for association of dystrobrevin with the sarcoglycan-sarcospan complex as a basis for understanding sarcoglycanopathy"Hum Molec Genet. 9 (in press). (2000)
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[Publications] Ozawa, E.: "Dystrophinopathy and sarcoglycanopathy"Neurosci News. 3. 13-19 (2000)
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[Publications] Yoshida, M.: "Sarcoglycan-sarcospan complex interacts with syntrophins/a-dystrobrevins as well as the dystroglycan complex"Am J Hum Genet. 65-4, suppl. A500 (1999)
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[Publications] 吉田幹晴: "サルコグリカンと結合しているジストロフィン結合タンパク質"生化学. 71. 987 (1999)