1997 Fiscal Year Annual Research Report
B細胞性悪性リンパ腫における再構成IgH遺伝子の解析と形質変換の分子機構の解明
Project/Area Number |
09670176
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田丸 淳一 千葉大学, 医学部, 講師 (30188429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三方 淳男 千葉大学, 医学部, 教授 (40051289)
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Keywords | IgH遺伝子 / somatin mutation / PCR法 / MALT / follicular colonization / transformation / 細胞同期関連蛋白 / p27 |
Research Abstract |
唾液腺原発の粘膜関連悪性リンパ腫(MALT)5例について、PCR法を用い再構成IgH遺伝子を解析した。得られた腫瘍クローンは全てIgHのV領域に低〜中等度のsomatic mutation(SM)を認めた。また、MALTの組織学的特徴であるlymphoepithelial lesion(LEL)を来すMikulicz病(MD)11例およびSjoegren症候群(SjS)3例についても同様に検索した結果、各々1例にIgHのクローナルな再編成を認めた。それらの遺伝子の解析ではMDでは中等度の、SjSではごく軽度のSMを呈していた。すなわちMALTの腫瘍クローンとMDやSjSでのクローナルに増殖するリンパ球は抗原刺激を受けたB細胞であることが証明された。なお唾石症に伴う非特異的慢性唾液腺炎(CS)4例ではIgH遺伝子のクローナルな再構成は認められなかった。 2)唾液腺原発MALTの腫瘍クローンのサブクローニングではongoing mutationは認められなかったが、現在ミクロマニュプレーターを用いて腫瘍のfollicular-colonization部を採取し、再構成IgH遺伝子の検索中である。 3)初発時に曲型的なMCLの症例で数年後の再発にてDLへとtransformationを示した症例を2列経験した。組織学的には中細胞型(centrocytic)から大細胞型(centrocytoid)へのhistological conversionで、初発時と再発時のPCR法での再構成IgH遺伝子の解析では同一クローンであった。細胞周期関連蛋白についてはp53やp27の過剰発現が認められ、これらがtransformationに何らかの役割を担っていることが推測された。 4)各種NHLについてp27,p53,cyclinE等の蛋白発現を免疫組織化学的に検索し、その結果については検討中である。
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