1997 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー型痴呆におけるコリン作動性ニューロンの異常と老人斑との関連
Project/Area Number |
09670179
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小田 惠夫 金沢大学, 医学部・医学科, 講師 (70169316)
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Keywords | Vesicular acetylcholine transporter / リコンビナント蛋白 |
Research Abstract |
自ら作成したヒト白血球ゲノムDNAコスミドライブラリーをスクリーニングして、Vesicular acetylcholine transporter (VAChT)翻訳領域全長を含むゲノムクローン(Cos 25)を得た。VAChT翻訳領域をコードするゲノムにはイントロンがないので、VAChT翻訳領域の5'末端のポリヌクレオチドと3'末端のポリヌクレオチドを合成し、これらをプライマーに用いCos 25を鋳型としてpolymerase chain reaction (PCR)を行って、VAChT翻訳領域のみのDNAを得ることができた。その際、両端に有用なクローニングサイト(Eco R I)を導入するため、5'末端のポリヌクレオチドには-塩基の変異を生じさせ、また3'末端のポリヌクレオチドの3'側にはリンカーとなるヌクレオチドを5塩基を付加した。このようにして得たVAChT翻訳領域DNAを制限酵素Eco R Iで消化し、インフレームで蛋白発現ベクターpGEX-5X-1に挿入し、スクリーニングした。ところが、得られた大腸菌クローンはすべてVAChT翻訳領域DNAが逆方向でpGEX-5X-1に挿入されたプラスミドのみを含んでおり、蛋白誘導可能な大腸菌はクローニングできなかった。構造上VAChT翻訳領域DNAは正方向に組み込まれにくいのか、あるいは、VAChT翻訳領域DNAが正方向でpGEX-5X-1に挿入された場合、これによって生ずる微量な機能性VAChT蛋白が大腸菌に致死的に働く可能性も否定できないと思われた。そこで、プライマーを変更し、PCRにて、VAChT翻訳領域のカルボキシル基末端側の一部(58アミノ酸残基あるいは48アミノ酸残基)をコードする短いDNAを生成した。これをpGEX-5X-1に挿入して、DNAが正方向にインフレームで組み込まれたクローンを得た。現在、このクローンを用いてリコンビナントVAChT蛋白を発現しているところである。
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