1997 Fiscal Year Annual Research Report
末梢神経鞘腫瘍における神経周膜細胞の関与とFISH法による染色体異常の検討
Project/Area Number |
09670189
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
廣瀬 隆則 徳島大学, 医学部, 助教授 (00181206)
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Keywords | Perineurial cell / Perineurioma / Malignant / Immunchistochemistry / Ultrastructure / MPNST |
Research Abstract |
末梢神経鞘はシュワン細胞、神経周膜細胞および繊維芽細胞から構成されている。悪性末梢神経鞘腫瘍の多くはシュワン細胞に由来すると考えられており、神経周膜細胞への分化を示す悪性腫瘍の報告は極めて少ない。この悪性神経周膜腫の臨床病理学的特徴を明らかにすることを試みた。良性神経周膜腫の組織学的特徴は、紡錐形細胞の花むしろ状ないし渦巻き状配列である。悪性末梢神経鞘腫瘍121例の中からこの特徴を示し、神経周膜細胞のマーカーであるepithelial membrane antigen(EMA)が陽性で、かつS-100蛋白陰性であった5例を悪性神経周膜腫と判断した。さらに既知の2例を加えて検討した。7例の内訳は男5、女2例で、年令は11-83歳、発生部位は、顔面1、四肢2、体幹2、縦隔1、後腹膜1例であった。1例が神経と連続していたが、神経線維腫症1型との合併はなかった。4例で局所再発、2例で遠隔転移が見られたが、経過観察中(28-98ケ月)腫瘍死した例はない。免疫組織化学的に、一部の例はLeu-7(57%)、CD34(14%)とも反応性を示した。電顕観察を行った4例のうち、3例は神経周膜様細胞から、1例は神経周膜細胞とシュワン細胞の中間的な細胞から構成されていた。以上の結果から、悪性神経周膜腫は悪性末梢神経鞘腫瘍の約4%を占めていると判断された。良性神経周膜腫と同様に、神経との連続性を示すことはまれで、神経線維腫症との関連性も乏しい。検討例は少ないが、通常の悪性末梢神経鞘腫瘍に比べ、予後が良好である可能性が示された。シュワン細胞への分化が明らかでない悪性末梢神経鞘腫瘍では、悪性神経周膜腫の可能性も考慮する必要があると考えられた。
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