1998 Fiscal Year Annual Research Report
カボシ肉腫の血管組織新生・退縮の病態像および分子病理学的機序
Project/Area Number |
09670193
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
板倉 英世 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (00010512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千馬 正敬 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (60216562)
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Keywords | カボシ肉腫 / 血管組織増生 / 分子病理学 / エイズ / 病理形態学 / 軟部組織病変 / 免疫病理学 / 退縮過程 |
Research Abstract |
カポシ肉腫の発症病態を把握するために血管病変の発現機序を追求した。カポシ肉腫はエイズの併発症型の血管組織増生性病変を中心に調べた。研究は以下の順序で遂行した。1)初発病変と考えられる病巣部位の病理形態学的変化の各要素の集積。2)集積した要素を分析するためのデーターベース化の検討。3)漸次変化する病変の進行状況の病理形態学的変化の各要素の集積。4)漸次変化する病変の集積した要素のデーターベース化するための検討。5)病変部位における血管組織の新生動態および腫瘍化する過程の把握のための参考資料としての血管性軟部組織病変の各種免疫病理学的手法。6)同じく病変部位における血管組織の退縮過程の把握のための免疫学的手法の技術的開発。7)病巣部位の漸次変化する血管組織の新生動態、腫瘍化過程、さらに退縮過程の形態解析のための技術的開発。8)同疾患の病巣部位の各種病原体の構成成分の分子病理学的検出の試み。9)熱帯地域をはじめとする諸外国の研究機関および医療機関と連携し、各種熱帯性感染症や腫瘍疾患の病理解剖材料や外科材料の送付を受けて病理学的に検索し、熱帯病の系統的病理学におけるカポシ肉腫の位置付け。究極的に以下の諸点を目指している。1)カポシ肉腫の本態について病変部位の病理形態学的、免疫病理学的、分子病理学的指標による成績の集積ならびにその解析により、それが炎症性病変であるか、腫瘍性病変であるかを検討する。2)良性病変であるか悪性腫瘍であるかを判別する。3)関連した炎症性病変の発生機序の把握。4)関連した腫瘍性病変の発生機序の把握。5)カポシ肉腫の病変発現と病変の推移の把握。6)カポシ肉腫の病理組織発生と本態を把握。7)カポシ肉腫と各種血管性病変との鑑別診断学的方法の樹立。
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