1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670194
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Research Institution | Miyazaki Medical College |
Principal Investigator |
住吉 昭信 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (80038695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木佐貫 篤 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (70253846)
丸塚 浩助 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (00239154)
浅田 祐士郎 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (70202588)
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Keywords | 組織因子 / 動脈硬化 / 血栓 / 平滑筋細胞 / マクロファージ |
Research Abstract |
1. 剖検症例の検討 宮崎医科大学附属病院および研修関連病院での病理解剖症例(死後6時間以内;45症例)より大動脈・冠状動脈を切り出し、動脈硬化巣における組織因子(TF)の組織学的・免疫組織学的検討および活性能を測定した。TFは動脈硬化の早期より内膜平滑筋細胞・マクロファージ・一部の内皮細胞に発現しており、進行病変では細胞外マトリックスにもその沈着を認めた。また病変の進行に伴いTF活性の亢進を認め、特に粥腫粥を有する進行病変は高い凝固活性を有していた。大動脈の中膜にはTFはほとんど認めなかったが、冠状動脈の中膜平滑筋細胞にはTF蛋白がみられた。 2. 動物モデルの検討 家兎大動脈のバルーン傷害モデルを用いて、内膜肥厚巣でのTF発現を検討した。傷害後早期から長期間(〜8週間)にわたり内膜平滑筋細胞にTF蛋白・mRNAの発現を認め、TF活性の亢進もみられた。内膜肥厚巣を再度バルーンで傷害したところ、内皮細胞剥離のみの浅い傷害では、正常血管の内膜傷害と同様に血小板の粘着・凝集を認めるのみであったが、内膜平滑筋細胞の傷害を伴う深い傷害ではヒトのプラーク破綻・びらんと同様に著しいフィブリン繊維の形成を伴う白色血栓が形成された。これは血小板が主体の血栓に比してかなり大きな血栓に成長した。このように家兎大動脈の内膜肥厚巣においてもヒト動脈硬化巣と同様に凝固能が穴進した状態であることが確認された。 以上の結果より動脈硬化巣においては、正常動脈とは異なり壁内の凝固活性が亢進しており、これが硬化巣での血栓形成(acute coronary syndromeの発生)や病巣の進展にも重要な役割を果たしていると考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hatakeyama K.: "Expression of tissue factor in the rabbit aorta after balloon injury." Atherosclerosis. 139. 265-271 (1998)
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[Publications] Asada Y.: "The role of tissue factor in the pathogenesis of thrombosis and atherosclerosis" Journal of Atherosclerosis and Thrombosis. 4. 135-139 (1998)
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[Publications] Asada Y.: "Fibrin-rich and platelet-rich thrombus formation on neointima:recombinant tissue factor pathway inhibitor-------rabbit aorta." Thrombosis and Haemostasis. 80. 506-511 (1998)