1997 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトBリンパ腫のアポトーシス発現制御機構の分子機序の解明と治療への応用
Project/Area Number |
09670196
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
阿部 正文 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (00045783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田崎 和洋 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (70244382)
中村 直哉 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (50227922)
冨永 邦彦 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (20145626)
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Keywords | アポトーシス / ICEファミリープロティアーゼ / CPP32 / Yama / Apopainプロティアーゼ / ヒトBリンパ腫培養株 |
Research Abstract |
研究代表者が樹立したヒトBリンパ腫培養株HBL-9でみられるspontaneous apoptosisあるいはdrug(anti-Fas monoclonal antibody,actinomycin D,cycloheximide)-induced apoptosisはICE(interleukin-1β-converting enzyme)様プロテイアーゼ阻害剤(Z-Asp-CH_2-DCB)で抑制されるが、ICEプロティアーゼ阻害剤(Ac-YVAD-CHO)あるいはCPP32/Yama/Apopainプロティアーゼ阻害剤(Ac-DEVD-CHO)では抑制されない。このことはHBL-9細胞におけるspontaneous apoptosisとdrug-induced apoptosisには同じapoptosis発現機構が関与しているが、上流のICEプロティアーゼと下流のCPP32/Yama/ApopainプロティアーゼからなるICEプロティアーゼカスケード機構は関与していない可能性を示唆した。さらにHBL-9細胞を培養開始からspontaneous apoptosisに至るまで、あるいはanti-Fas単クローン抗体を添加してからapoptosisに至るまで経時的に細胞を採取し、ICE/ICE様プロティアーゼ活性とCPP32/Yama/Apopainプロティアーゼ活性およびそれに対するICEファミリープロティアーゼ阻害剤の影響を検討した。その結果、ICE/ICE様プロティアーゼ活性はspontaneous apoptosisおよびanti-Fas-induced apoptosisでも全く認められなかった。一方CPP32/Yama/Apopainプロティアーゼ活性はspontaneous apoptosisおよびanti-Fas-induced apoptosisでも認められ、経時的に上昇した。このCPP32/Yama/Apopainプロティアーゼ活性はICEプロテイアーゼ阻害剤(Ac-YVAD-CHO)では抑制されなかったが、ICE/ICE様プロティアーゼ阻害剤(Z-Asp-CH2-DCB)で抑制され、apoptosisも抑制された。一方CPP32/Yama/Apopainプロティアーゼ阻害剤(Ac-DEVD-CHO)はCPP32/Yama/Apopain活性を抑制したが、apoptosisを抑制しなかった。これらの成績はHBL-9細胞のapoptosis発現機構にはCPP32/Yama/Apopain以外のICEファミリープロティアーゼが関与している可能性を示唆した。現在HBL-9細胞のapoptosisにおけるpoly(ADP-ribose)polymerase(PARP)、および1amin-について検討している。またHBL-9培養株からspontaneous apoptosisを起こすクローン株と起こさないクローン株を樹立し、apoptosis発現機構の相違について検討する予定である。
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