1997 Fiscal Year Annual Research Report
レトロウイルス誘発性疾患に対する遺伝子治療モデルの開発
Project/Area Number |
09670219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
北川 昌伸 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (10177834)
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Keywords | レトロウイルス / フレンド白血病ウイルス / Fv-4 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
レトロウイルス誘発性疾患に対する遺伝子治療モデルの確立を目的として実験を行った。フレンド白血病ウイルス(FLV)に対して抵抗性を示す宿主遺伝子であるFv-4^r遺伝子を導入した骨髄細胞を、FLV感受性マウスに移植することによって遺伝子治療モデルマウス系を作成した。 a)Fv-4^r遺伝子をFLV感受性であるC3H/Heマウスの骨髄細胞に導入した。導入された細胞は安定して、この遺伝子の遺伝子産物を発現することがわかった。 b)Fv-4^r遺伝子を導入したC3H/Heマウスの骨髄細胞をC3H/Heマウスに移植して、遺伝子産物の発現を検索した。個体差がかなりあるが、もともとこのFv-4^r遺伝子を持っているC4Wマウスの発現強度と比較して、末梢血中の有核細胞で0-50%の発現を示すマウスが得られた。 また、このような骨髄移植マウスにおけるFv-4^r遺伝子の発現を経時的に追跡してみると、徐々に発現強度が弱くなる傾向はあるものの、6ヶ月を経過しても発現はある程度保たれていることがわかった。 c)骨髄移植マウスの遺伝子産物の造血細胞系における発現細胞をFACS解析したところ、赤芽球系あるいは顆粒球系、に比較的強い発現がみられたが、T細胞、B細胞といったリンパ球系細胞での発現は非常に弱かった。 2)遺伝子治療モデル作製への予備実験 a)骨髄移植マウスにFLVを接種して抵抗性が獲得され得るかどうかを検索した。 b)導入したFv-4^r遺伝子の発現強度が本来のC4Wマウスに比較して30%以上発現されていればウイルス抵抗性を発現していたが、そのようなマウスは数が少なく、遺伝子導入系の詳細な解析を改善が必要と考えられた。
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[Publications] Kitagawa M.et al.: "Cell-free transmission of Fr-4 resistance gene product controlling Friend leukemia virus in duced leukemogenesis in mice" Leukemia. 11.Supple. 230-232 (1997)
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[Publications] Kamisaku H, Kitazawa M.et al.: "Limoithig diansmission analysis of T-cell progenitors in the bone of thymic thymic lymphome-susceptible BIO and-resistant C3H mice after fractionated whole-body X-irradiation" Int.J.Radiat.Biol.72. 191-199 (1997)