1997 Fiscal Year Annual Research Report
活性酸素のエフェクター分子の同定とその生物学的意義の追究
Project/Area Number |
09670223
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
豊國 伸哉 京都大学, 医学研究科, 講師 (90252460)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日合 弘 京都大学, 医学研究科, 教授 (10073131)
|
Keywords | 活性酸素 / フリーラジカル / ディファレンシャル・ディスプレイ / 鉄 / 4-ヒドロキシ-2-ノネナ-ル / 8-ヒドロキシ-2'-デオキシグアノシン / モノクローナル抗体 / 免疫染色 |
Research Abstract |
1)鉄ニトリロ三酢酸の腎発癌系における酸化ストレス応答遺伝子の同定を目的としてDifferential display法を行った。従来、この方法にはラジオアイソトープを用いることが多かったが、研究効率を上げるために蛍光プライマーを使用する方法を開発した。蛍光はロ-ダミンを使用し、遺伝子確定の過程に必要なサブクローニングを確実にするためにアンカープライマーに制限酵素部位を設けた。まず、スクリーニングが比較的簡単である腫瘍と非腫瘍部の比較から開始し、現在までに予想されるメッセンジャーRNA(10万種類)のほぼ半数のスクリーニングを終え、300のDNA断片を保存し、そのうち60についてサブクローニング・塩基配列を決定したが、その半数は既知の遺伝子であった。これらの遺伝子として、酸化的傷害の修復酵素など酸化ストレスとの関連があらかじめ予想されるもの以外に細胞内情報伝達、細胞間接着、腎尿細管細胞の固有機能に関連したものなどが得られつつある。2)次の実験においては4-hydroxy-2-nonenal-modified keyhole limpet hemocyaninを抗原として、BALB/cマウスを免疫してその脾細胞とマウスミエローマ細胞の融合をおこない、ELISAによるスクリーニングにより求めるクローンを検索した。今回の検討で、ヒスチジン、リエン、システウン残基とほぼ同等に反応するクローンを見いだしたが、システインに特異的なクローンはまだ得られていない。現在までに得られた抗体で4-hydroxy-2-nonenalの標的蛋白質を特に消化器癌を使用して検討中である。3)また、8-hydroxy-2'-deoxyguanosineに対するモノクローナル抗体を開発、その特異性を評価して、免疫染色法とその低量化法を確立した。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Toyokuni S et al.: "Quantitative immunohistoohemical determination of 8-hydroxy-2'-deoxyguanesine by a moneclonal antibody N45.1" Laboratory Investigation. 76. 365-374 (1997)
-
[Publications] Toyokuni S.et al.: "Induction of a wide range of C2-12 aldehydes and C7-12 acyloms in the kidney of Wistar rats after treatment of a renal carcinegen,ferrie nitrilotriacetats" Free Radical Biology and Medicine. 22. 1019-1027 (1997)